ボストン発--Microsoftが、写真集をナビゲーション可能な3D空間に変換する写真ブラウザを開発している。
Microsoft Live Labsとワシントン大学の作業グループの代表者らは米国時間8月2日、「SIGGRAPH 2006」で行われた同校の「Photo Tourism」システムに関する講演のなかで、「Photosynth」ブラウザを披露した。Microsoft Live Labsでは、Photo Tourismの技術をベースにPhotosynthブラウザを開発し、インターネットベースの個人向けサービスとして提供したいと考えている。
MicrosoftのInteractive Visual Media Groupを率いるRichard Szeliski氏は、「Photosynthは、大量の写真を見て回れるウェブクライアントとしてリリースされる」と述べた。Photosynthは、世界中の写真を集めた仮想世界を作り出すポテンシャルを秘めていると、Szeliski氏は述べている。
Photosynthには、自分のコレクションだけでなく、YahooのFlickrのような写真共有サイトからも画像を取り込む機能が備わっている。Photosynthは読み込んだ写真を整理したうえで、位置情報や被写体の特徴、3次元点群データの類似パターン、類似パターンとの差異、写真アングルなどを計測するアルゴリズムを使いながら3Dコラージュを作成する。
Photo Tourism技術を開発したワシントン大学のCharles Simonyi Graphics and Imaging LaboratoryのメンバーNoah Snavely氏は、「これまでの研究とは異なり、Photosynthでは画像レンダリング技術と検索技術が連携する。われわれが開発したシーン再現技術は、撮影に使われたカメラの位置や向き、焦点距離を自動計算する。ユーザーはフォトブラウザ機能を使って、再現されたシーンを閲覧することができる」と述べた。
ユーザーは特定のオブジェクトを1つだけクリックするか、マウスをドラッグしながら複数のオブジェクトを指定することで、作成された画像の詳細を見ることができる。Photosynthは指定されたオブジェクトについて、最もスコアの高い写真を拡大表示する機能ももつ。写真のスコアは解像度や照明、アングルなどによって決まる。正面からの写真や、日中に撮影された写真の方が高いスコアを付与される。
またPhotosynthでは、景色の中を動き回ったり、被写体までの距離をのばしたりするなど、画像の中身をより詳細に見ることもできる。またコレクションの中から同じ被写体の画像を選び出すこともできる。画面の下部には、同じ被写体の画像のサムネイルが一覧表示される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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