ウェブパブリッシングサービスの「.Mac」が停止状態に陥り、多方面に波紋を広げている。
Apple Computerは、「It just works(とにかく使える)」という宣伝文句を最近になって使い始めたが、これが.Macサービスの再開を待ち望むユーザーをさらにいらだたせてしまった。
ここ4日間にわたり、.Macのパブリッシング機能「iWeb」とこれに関連するファイル共有機能「iDisk」が停止し、ユーザーに影響を及ぼしている。Appleのサイトに設置された掲示板に寄せられたユーザーの意見を見ると、サービス停止が長期化していることばかりでなく、.Macテクニカルサポートチームの対応の遅れにも不満が噴出しているようだ。
BK Broilerと名乗るユーザーは同掲示板に、「まったくアクセスできない状態が96時間も続いている。IPアドレスは昨日からpingに反応するようになったが、iDiskのほうは依然として動いていない。/etc/hostsの設定をいじれば機能するものの、そのままでは動作しないのだ。トラブルに関するクレームを入れてから実に72時間が経過した今日になって、沈黙を守っていたAppleからようやく決まり文句の並んだ電子メールが届いた。長い間Appleをひいきにしてきたユーザーの気持ちをないがしろにし、何の見返りも与えてくれなかったAppleよ、ありがとう。Macを使い始めて20年になるが、ほかの選択肢を検討する時期が来たようだ」と書いている。
Appleは米国時間7月31日に、同問題の調査を進めていると発表した。
同社の関係者は、「サービスが停止状態にあることは把握しており、現在その解決に努めている」と話している。
データ同期サービスおよびグループ電子メール機能を含む、.Macサービスの年間使用料99.95ドルの一部を返金するかどうかについては、まだコメントを発表する段階ではないと、同関係者は述べた。
今回のサービス停止は、同サービスをビジネスに利用しているユーザーにとって、特に大きな問題となっている。
シアトルに在住する技術コンサルタントのBrian Guy氏は、iDiskの代替とするためにサーバを立ち上げ、iDiskからすべてのファイルを削除したという。
「今後もiDiskの使用は続けるが、重要な用途に用いるのは止めようと思っている」(Guy氏)
AppleのiDisk用掲示板に書き込みをしたほかのユーザーと同じく、Guy氏も、iDiskに発生した問題の影響がほかの.Macサービスに及んでいる点を糾弾している。
同氏は、「iDiskへの依存度が高いために、.Macのすべての『iLife』スイートが影響を受けてしまった」と指摘し、「iPhoto」および「iWeb」や、iDiskを経由して行う日常的なバックアップ機能をその例として挙げた。
Appleは、iDiskの問題がiLifeスイートにどの程度の影響をおよぼすかという事柄に対しては、コメントを拒否している。
Appleが掲げている売り文句は、現時点では一部のユーザーの怒りをあおるだけのものに成り下がってしまっている。
Allan Bellという名で掲示板に書き込みをしたユーザーは、「これまでは.Macサービスに何の不満もなかった(中略)。ところが今や、爪をかんだり髪を引っ張ったりといった、『Windows使用後ストレス障害』に近い症状に悩まされている。Appleの新しいキャッチコピーを見ると、怒りがこみ上げてくるのを抑えられない。『it just works』とはお笑いぐさだという気持ちが、徐々に大きくなっている。『時には役に立つ』と言った方が適切なのではないだろうか」と、胸の内を吐露している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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