スパムメールで作り出すアート、「Spam Plants」プロジェクト

文:Stefanie Olsen(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年07月27日 20時08分

 大部分の人々にとって、バイアグラの広告やナイジェリア詐欺などのスパムメールは、削除するだけの単なる電子メールだ。しかし、Alex Dragulescu氏にとってはアートなのである。

 ルーマニア生まれのコンピュータアーティスト、Dragulescu氏はこの数年、コンピュータモデリング技術や情報視覚化技術を応用して、新しい形態の芸術的表現を創り出してきた。同氏の関与してきた注目すべきプロジェクトの1つに、「Spam Plants」というものがある。同氏は、スパムメールに含まれる、さまざまなテキストやデータポイントを解析し、植物のような形をした「生物的な」イメージ画像を生成するアルゴリズムを開発した。また、このイメージ画像はスパムメールが増えるにしたがって、自然に成長するという。

 現在、Dragulescu氏は、実験的なグラフィックノベルの「執筆」を可能にする、「Blogbot」というソフトウェアエージェントの開発に取り組んでいる。グラフィックノベルはインターネットを通じて賛同を得た多くのブログから選出し、シャッフルしたテキストが基になっている。Blogbotは、コンピュータ言語学をブログのテキストに応用するアルゴリズムを搭載し、テキストから意味を抽出することが可能になる。このようにして、グラフィックノベルに深みが出るのかもしれない。

 Dragulescu氏は「コンピュータ言語学の手法を使ってテキストを解析することで、怒りや悲しみをあらわにすることができる。また、それを3次元のジェスチャーで表現できたら面白いだろう」と述べた。同氏は現在、サンディエゴにあるカリフォルニア大学のCenter For Research and Computing and the Arts (CRCA)に設けられた研究所、Experimental Game Labの責任者である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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