米上院商務委員会は米国時間6月27日、性的に露骨な情報が掲載されているウェブサイトの管理者に警告表示の掲載を義務付け、違反した場合は15年以下の懲役を科す法案を可決した。
商務委員会は広範な通信法案に関する審議の中で、Bush政権が支持する同法案の修正案を可決した。同修正案の支持者らは、インターネットの浄化とオンライン上での子供の保護に資すると主張している。
同修正案によると、営利目的のウェブサイトは、ホームページ上に「性的に露骨なコンテンツ」を掲載することが禁じられ、違反した場合は重罪で起訴される。また、商用アダルトサイトの管理者は、「性的に露骨なコンテンツが含まれるウェブサイトの各ページやスクリーン」を連邦取引委員会(FTC)が考案したシステムによって格付けしなければならない。
Congressional Internet Caucusの共同創設者であるConrad Burns上院議員 (モンタナ州選出、共和党)は、「これにより、子供たちがうっかり誤ったアドレスを入力して、いきなりわいせつな画像を見てしまう事態を防げる」と語る。
Burns氏は、「(政治家は)われわれの子供たちが直面しているこの危険な世界に対し大胆な手段を講じる必要がある。世の中には幼い子供たちを餌食にしている人々がおり、彼らはインターネットなどの手段で病的な欲求を満たしている」と指摘した。
しかし一方で、市民的自由の擁護者らは、サイトへのラベリングを義務付ける法案は合衆国憲法修正第1条で保障されている言論の自由に反するとして反対した。また裁判所も過去に、義務的な格付けシステムに対し懐疑的な見方を示している。1968年のInterstate Circuit v. Dallas事件で、米最高裁判所は、映画の格付けを義務付けるダラス市の条例について、格付けの基準が不明確かつ曖昧であるとして違憲判決を下した。
7ページにわたるBurns氏の修正案は、Jon Kyl上院議員(アリゾナ州選出、共和党)が6月初めに提出した法案とほぼ同じ内容である。どちらの法案もAlberto Gonzales司法長官の4月の発言後に提出された。Gonzales長官は発言の中で、議会に対しそのような法を「早急に」制定するよう求めた。
上院商務委員会の委員長を務めるTed Stevens上院議員 (アラスカ州選出、共和党)によると、John Kerry上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)も「大変よく似た内容の」修正案の提出を計画していたが、上院補佐官らが議場での採決前に2つの案を統合するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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