6月12日、携帯電話によるマーケティングのカンファレンス、「モバイルマーケティングカンファレンス2006(MMC2006)」が東京都内で開催された。「モバイルビジネス革新の戦略」と題したセッションにはNTTドコモ執行役員の夏野剛氏、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長の増田宗昭氏、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏がパネラーとして登場。宣伝会議編集長の田中理沙氏のモデレートでそれぞれの携帯電話戦略について語り合った。
三木谷氏は携帯電話版の楽天市場が2005年度、前年比159%の伸びを達成したと報告し、「携帯電話だけの利用者も増えている。サービス開始前は通勤時間帯のアクセスがメインになると予測していたが、実際には深夜帯の方が多い。自宅の居間や食卓からテレビを見ながら携帯電話で買い物をする人が多いのではないか」と、携帯電話ユーザーの行動パターンを分析した。
増田氏は「ツタヤオンラインの利用者はPCより携帯電話の方が多い。CDやDVDなど新譜の予約を今すぐしたいという人には、PCや店頭で予約するのはまだるっこしさを感じるようだ」と、携帯電話マーケティングの即時性が高いことを強調した。
夏野氏も「一期一会な買い物というか、わざわざ店に行ったりPCで検索したりするのではなく、出会った商品をすぐ買うせっかちなユーザーが増えている。彼らに対して携帯電話のクレジット機能は便利なツールになるだろう」と加えた。
しかし携帯電話はいまや、マーケティングの道具だけではないようだ。ビジネスにとって、携帯電話はもはや不可欠なツールだと増田氏は言う。 「TSUTAYAではアルバイトの管理に携帯電話を使っている。勤務可能な空き時間を携帯電話からエントリーしてもらい、店ではそれを元にPCでアルバイトの勤務シフトを組み、携帯電話メールで連絡。どうしても埋まらない場合は登録アルバイトに一斉メールする。携帯電話なしでは、もう店を切り盛りできなくなっている状況だ」と活用法を披露した。
最後に夏野氏は「最近キャリアがいろいろ注目されているが、キャリアはプラットフォームを提供する側に回るべき。そして利用者や企業が参加しやすいプラットフォーム提供をめざしたい」と述べて締めくくった。
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