TiVoは米国時間6月7日、ブロードバンドによるビデオのダウンロードサービスを発表した。このサービスは、デジタルビデオレコーダー(DVR)メーカーである同社がインターネット関連のサービスを拡充しようとする動きの一環だ。
新たに開始される「TiVoCast」というサービスによってユーザーは、ブロードバンドを利用し、特定のインターネットサイトから自分のTiVoにビデオクリップを無償でダウンロードすることができるようになる。こういったダウンロードが可能なウェブサイトとしては、女性向けのiVillage、技術指向コンテンツのCNET.com(CNET News.comの姉妹サイト)、エンターテインメントに特化したHeavy.com、The New York Times、全米プロバスケットボール協会(National Basketball Association:NBA)、全米女子プロバスケットボール協会(Women's National Basketball Association:WNBA)、ニュースや政治のビデオブログを提供するRocketboomなどがある。
TiVoの番組編成担当ゼネラルマネージャーTara Maitra氏は、「テレビは、ビデオを視聴するプラットフォームとしていまだに好まれている」と述べ、「TiVoCastサービスは、ネットで配信されている人気コンテンツや、専門的なテーマを扱ったコンテンツなど、現在はTV番組として提供されていないものをウェブ上で提供する」と説明した。
同氏は電話でのインタビューに応じ、TiVoはウェブサイトや、提供するビデオの数を増やす計画はあるものの、実現すべき具体的な目標は決まっていないと述べた。
契約者は、「TiVo Series2 DVR」機をブロードバンドに接続し、TiVo CentralのShowcasesエリアを選択することによってコンテンツにアクセスできる。
TiVoとそのパートナー企業は、コンテンツ内で広告を提供することにより収益を得ようと計画している。これは、他のDVRサービス提供企業との競合が激しくなる中、独自性を打ち出す必要性に迫られていたTiVoにとって良い方向性といえる。なお、TiVoの競合企業は、Cisco SystemsやMotorolaといったIT業界の大手企業がケーブルテレビ用セットトップボックスに付加したデジタル録画機能を利用してサービスを提供している。
TiVoのブロードバンド向けサービスは、「Internet Protocolテレビ(IPTV)」の開発が大きく進展したタイミングで登場した。例えばAT&Tは、これまでパイロットフェーズにあった「Project Lightspeed」サービスや「U-verse TV」サービスを、2006年夏に大々的に展開する計画だ。
その一方でTiVoは、IPTVとともに使用することができるソフトウェアとユーザーインタフェースを開発した。この技術によって契約者は、将来IPTV経由で提供されることになる番組の整理やナビゲーションを容易に行えるようになる。
しかしMaitra氏によれば、TiVoはまだ、この技術をブロードバンドのビデオクリップにどう利用するかを考えているところだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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