Microsoftは今週、同社の新しいメディアプレーヤーソフト「Windows Media Player 11(WMP 11)」のベータ版を公開する。オンライン音楽販売市場ではAppleが圧倒的な強さを見せているが、MicrosoftはiTunes叩きを狙って新バージョンを大幅に作りかえている。
WMP 11ベータ版の無償提供は米国時間17日からの予定だが、同ソフトウェア用に対応する携帯メディアプレイヤーはすでに一部で出回り始めている。
WMP 11は、オンライン音楽販売市場でAppleを首位の座から引きずり降ろそうとするMicrosoftの最新の試みだ。Appleは、楽曲販売とデジタル音楽プレーヤーの販売で、常に競合他社を上回ってきている。
WMP 11のベータ版は17日に正式公開されると見られているが、15日に発売されたiRiverの「Clix」にはすでに同ソフトウェアが同梱されている。また、Inquirer.netでも自社サイトでWMP 11を無償公開している。
Microsoftは、iTunesとiPodで音楽関連市場を牛耳るAppleに挑むため、今回はハードウェアメーカーに加えて、音楽業界の有力ベンダーとも提携し、これまでよりセンスの良い選択肢の提供を目指している。MicrosoftはMTVと提携し、「Urge」というサブスクリプション形式のオンライン音楽配信サービスを開発した。Urgeの正式公開は17日の予定だが、すでに15日にはアクセス可能になっている。
MTVとの提携は独占的なものではない。WMP 11は「MSN Music」やNapsterのサービスにも対応するほか、SamsungやCreativeなどのハードウェアにも搭載されることになっている。また、これはサービス-ソフトウェア-ハードウェアをいっそう簡単に連動させようとするMicrosoftの試みだが、それでもハードウェアをリードするAppleのiPodには対応しない。
WMP 11はWindows XPとVistaの両方に対応するが、タイムテーブルはOSごとに異なる。
Microsoftが17日に公開するのは、「Windows Media Player 11 for Windows XP」のベータ版で、これは数カ月前から「Windows Vista」の開発作業の一部としてベータテストが進められてきていたが、ただしUrgeサービスはこれまで公開されていなかった。2007年に一般発売予定のVistaは、現在限定的にテストが進められており、また第2四半期中には約200万人のテスターに対してベータ版が提供されることになっている。
いまのところ、WMP 11には好意的な評価が集まっている。また、iPodとの互換性はないものの、WMP 11はiTunesとの競争に役立ついくつかの機能が追加されている。
その1つは、多数の楽曲を含むライブラリでも、楽曲リストをスクロールして、簡単に目的の曲を選べるようになっている点だ。WMP 11ではアルバムジャケットの画像を手がかりに楽曲を見つけだせる。iTunesでは、テキストでしか楽曲リストを特定できず、ユーザーは大量の文字を読まなくてはならない。
同ソフトウェアには燃料計のようなものも搭載されており、携帯音楽プレーヤーにあと何曲読み込めるかが視覚的に分かるようになっている。
MTVのUrgeにはWMP 11のなかからアクセスできる。Urgeでは1曲99セントで200万をこえる楽曲が提供される。また、9.95ドルおよび14.95ドルのサブスクリプションサービスもオプションとして用意されている。
WMP 11は来年発売予定のWindows Vistaにも同梱される。なお、WMP 11の正式版は今年中に出荷の予定となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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