同判事はまた、両社が1991年に交わした同意書で「物理メディア」として定義されたものは、CDやテープといった当時の配布手段を指しているとした。もしApple ComputerがiTMSでSDカードを販売していれば話は違っていたかもしれないが、単にデータを販売しているだけでは同じ内容とは言えないと判決文には記されている。
Mann判事は、iTMSや広告にApple Computerのロゴがあることが、Apple Computerと同意書に違反するコンテンツとの結びつきを連想させるかどうかについては、普通の人であればレコードレーベルと楽曲を購入する店舗を区別できる、との判断を示した。
「ユーザーは、創造的な作品を録音したものを小売業者から購入するという考えに馴染んでおり、販売自体から生じる事柄を除いては、小売業者と音楽との間に何の関係もないことを理解できるだろう。小売店ではまさにそうしたことが起こっている」(Mann判事)
この判決はApple Computerにとって大きな勝利だと、Jupiter Mediaのアナリスト、Michael Gartenberg氏は述べ、Apple Computerが以前のApple Corpsとの訴訟を和解させるために金銭を支払っていた点を指摘した。今回の訴訟でも、Apple Computerが再び金銭を支払う必要が生じると、複数の法律分野のアナリストが予想していた。しかしMann判事はApple Computer側の主張を認め、CDの販売と音楽というデータの販売は別のものだとした。
Apple Corpsはこの判決を不服として控訴するとみられている。控訴審でもこの判決が支持された場合には、Apple ComputerとBeatlesがついに折り合いを付けることになるかもしれない。
「われわれはこの意見の相違に決着を付けられたことを嬉しく思う」とApple Computer CEOのSteve Jobs氏は声明のなかで述べている。「われわれは常にBeatlesを愛しており、彼らの楽曲をiTMSで配信するために協力できることを望んでいる」(Jobs氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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