マイクロソフト研究者、10ギガピクセルのパノラマ写真に挑戦へ

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:坂和敏(編集部)2006年05月08日 12時48分

 デジタル画像の解像度を数百万ピクセル単位で表す「メガピクセル」などという言葉は忘れよう。Michael CohenというMicrosoft Researchの研究者は、今年夏に100億の画素を含む写真を作り出そうとしている。

 同氏はすでにシアトルのダウンタウンを撮影した、4ギガピクセルの写真合成に成功している。

 「Big Panoramas」と呼ばれるCohen氏のプロジェクトは、インターネットのマッピング技術と高解像度写真を組み合わせようという試み。40億ピクセルあるいは100億ピクセルといった超高解像度の写真なら、1枚に数平方キロメートル分の土地の様子を正確かつ詳細に収めることができる。たとえば、シアトルの写真では、拡大して建物の窓を表示したり、縮小して地域全体を表示することが可能だ。

 この技術が実用化されれば、Google Earthなどのサービスが提供する衛星写真に似通ったものが得られる。両者の違いは、(Microsoftの技術のほうが)角度がより自然な視線に近いことだ。Cohen氏の写真は、ビルの窓から外を見たり、歩道から眺めたりしたときに見えるようなパノラマ画像になる。一方、衛星写真では屋上などから見下ろした時のような見慣れない俯瞰図しか得られない。

 最終的には、複数の角度から撮影した数ギガピクセルの写真を1つにつなぎ合わせることで、数百億の画素を持つ3D画像に似たものをつくれる可能性があると、Cohen氏は説明した。

 このテクニックでは、標準的なデジタルカメラで数百枚の写真を撮影し、それらの写真をつなぎ合わせ、太陽の位置や雲の動きなど、すべての写真を撮り終えるまでの環境要因を補正するという手法を採っている。

 2004年には、オランダ在住のエンジニアが1時間以上かけて撮影した600枚の写真をつなぎ合わせて、約25億ピクセルの解像度を持つ1枚の画像を作成していた。

 シアトルのダウンタウンを撮した4ギガピクセルの写真の場合、1時間半をかけて800枚以上の写真を撮影する必要があった。しかし、撮影時間内における光線の位置や露出の変化は補正されており、画像全体が1回で撮影されたように見える。

 「10メガピクセルのカメラだと、10ギガピクセルの写真を撮影するのに最低1000枚の写真を撮る必要がある」(Cohen氏)

 撮影は手持ちでは行われない。カメラを電動の台座に装着し、コンピュータを使って台座とカメラをコントロールする仕組みになっている。

 なお、一般ユーザー向けのデジタルカメラは通常、約5〜6メガピクセルの解像度しかない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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