サイバーエージェントグループの運営するサイトの一部が、Googleで検索しても表示されなくなっていることが分かった。検索エンジンのランキング精度をゆがめる「検索スパム」と呼ばれる行為をしていたと判断されて、検索インデックスから除外されたようだ。
3月29日時点で、検索結果から削除されているのはメールマガジンサービスの「melma!」や価格比較サイトの「ECナビ」、ショッピングサイトの「GiRLSGATE.com」など(次ページに他のサービスの状況を一覧でまとめた)。サイト名だけでなく、URLを入力した場合でも検索結果に表示されない。また、各サイトのPageRankも0になっている。なお、Yahoo! JAPAN検索やMSN Japanサーチでは、いずれのサイトも検索結果に表示される。
SEO問題に詳しいアイレップ インターネットマーケティング事業部SEMインテグレーショングループSEMスーパーバイザーの渡辺隆広氏によれば、この問題が明らかになったのは先週末のことだという。
Googleの検索エンジンから各サイトが除外される原因としては、2つのことが考えられる。1つは、Googleのクローラーがサイトを巡回した際に、たまたまサーバが落ちていたケースだ。ただしこの場合、「インデックスは残るので、URLだけであれば表示されるはず」(渡辺氏)といい、今回の原因とは考えにくい。
もう1つは、対象のサイトが検索スパム行為をしていると判断された場合だ。Googleだけでなく、検索エンジンでは精度をゆがめる行為をするサイトは検索結果から外している。
今回問題となったサイトは、それぞれ小さなボックスをサイト下に用意し、相互に多くのリンクをはっていた。これが「リンクファーム」と呼ばれる検索スパム行為と判断されたようだ。リンクファームとは、検索結果の上位にサイトを表示させるために、意図的にはられたリンクのことだ。
ただし、サイト間でリンクをはりあうこと自体は一般的に行われていることだ。渡辺氏は、「リンクボックスがサイトの右下に小さく表示され、明らかに人に見せるためのリンクではなかった。検索エンジン対策のためだけに置かれたボックスであるということが問題になったのではないか」と分析する(画面)。なお、現在このリンクボックスはサイトから削除されている。また、渡辺氏はブログ「渡辺隆広のサーチエンジン情報館」でこの問題について詳細に解説している。
画面:問題になったと思われるリンクボックス(右下)。サイトの右下にあり、50件弱のサイトへのリンクがはられていた |
この件について、サイバーエージェントでは「28日夜時点で把握しており、現在社内で調査している。対応についても検討中だ」としている。また、グーグルでは「現時点では分かりかねる」とした。
Googleでは4週間に1度の頻度でサイトをクロールしており、インデックスから削除されたサイトでも問題個所が修正されれば、再び検索結果に表示されるという。最近ではBMWのドイツ語サイト「BMW.de」がGoogleのガイドラインに違反したという理由で、同じように検索結果から外されていた。
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