Daniel Terdiman(CNET News.com)
2005/12/09 22:59
誰でも投稿可能なオンライン百科事典Wikipediaの中で、何者かから身に覚えのない殺人の法的責任を追及されたとしても、裁判で何とかしようという過度な期待は禁物だ。
これは、Wikipediaに掲載されたある記事をめぐり、元ジャーナリストのJohn SeigenthalerとWikipediaの間で生じた争いから得られた教訓だ。Wikipediaは、SeigenthalerがRobert KennedyとJohn F. Kennedyの暗殺に関与したとするでたらめな内容の記事を4カ月間にわたって掲載した。
しかし、Seigenthalerの怒りがどれほど強くても、また記事の内容がでたらめな内容であったとしても、Seigenthalerが訴訟でWikipediaに勝訴する可能性は低い、とCNET News.comがインタビューした法律の専門家たちは口を揃える。Seigenthaler自身も、USA Todayに投稿した文章の中で、その点は認めている。
1996年に制定された連邦通信品位法(Communications Decency Act :CDA)第230条のおかげで、Wikipediaは、誤った内容の記事がサイト上に掲載されていた期間を問わず、名誉毀損の法的責任を免れることになりそうだ。というのも、WikipediaはSalon.comやCNN.comといった出版社ではなく、あくまでサービスプロバイダだからだ。
米スタンフォード大学ロースクールのCenter for Internet and Society(CIS)のエグゼクティブディレクターJennifer Granickは、「(Wikipediaには)一切法的責任はないと考える」と述べ、さらに「(CDAの)第230条により、(名誉毀損の法的責任が)免除される」と語った。
78歳のSeigenthalerは、11月29日付のUSA Todayの投書欄に、Wikipediaを痛烈に批判する投稿を行っている。その中で同氏は、「(Wikipediaに掲載された元の記事の中で)真実は、私がRobert Kennedyの補佐官だった、という一文だけだった」と記している。その記事を執筆したのは匿名のユーザーで、身元を辿る唯一の手掛かりとなっているのは大手インターネットサービスプロバイダ(ISP)BellSouth Internetのアカウントだけだ。しかし、BellSouthは執筆者の名前は公表しないだろう、とSeigenthalerは付け加えている。
さらにSeigenthalerの投稿によると、同氏はWikipediaに対し再三にわたって抗議したにも関わらず、10月5日にその不快な記事を削除するまでにWikipediaがとった唯一の行動は、その記事が投稿された日の3日後の5月29日に行ったスペルミスの訂正だけだったという。

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