インターネットのバックボーンを運営する大手2社の対立により、両社の顧客の一部でインターネットがつながりにくい状況が発生している可能性がある。
ネットワーク事業者のLevel 3 Communicationsは米国時間5日、Cogent Communicationsという別の大手ネットワーク事業者への直接相互接続を遮断した。これにより、一方の事業者の回線を利用する一部の顧客が、他方のネットワークに接続するウェブサイトにアクセスできないか、もしくは非常に遅いスピードでしかアクセスできない状態になっている。
Syncro ServicesのWilliam Steele(同社主任ネットワークエンジニア)によると、この問題は同日朝から発生していたという。
「一部の人に電子メールが送信できなくなっている」とSteeleは述べる。「自宅ではRoad Runnerのアクセスサービスを利用しているが、リモートからサーバを管理できなくなっていた」(Steele)
「相互接続」に関する取り決めは、トラフィックの流れを効率的にするため、ネットワーク事業者同士が互いのネットワークへの直接接続に同意することで成立している。両事業者の規模がほぼ同じ場合、料金の支払いはほとんど発生しない。
Level 3では、Cogentの規模が同社に比べて拡大したため、両者間の取り決めが金銭面で成立しなくなったと主張している。Level 3の関係者によると、同社はCogentに対して、トラフィックのやりとりに対する料金の支払いを含めた、新しい取り決めを検討するように要請していたという。
Cogent最高経営責任者(CEO)のDave Schaefferは、同社の規模は少なくともLevel 3と同等であることを理由に、接続料金の支払いは理解できないと、Level 3の要請に反発していた。Cogentは、自社のネットワーク上にあるサイトに接続できないLevel 3ユーザーに対して、無料インターネット接続サービスを1年間提供することで、Level3ユーザーを獲得しようとしている。
「われわれの目標は、この問題を解消することにある。Level 3が考えを変えるか、それともLevel 3の顧客がCogentに乗り換えるかのどちらかだ」(Schaeffer)
しかし、Level 3の関係者によると、同社が考えを変えることはないという。
今回の問題で影響を受けるのは、両社と契約する顧客の一部にすぎないと思われる。多くのネットワーク事業者の顧客は、インターネットへの接続に関して、複数の接続を利用している。そのため、代替の回線を使用することで、遮断が予想されるサイトに接続することが可能だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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