ワシントン州上級裁判所のSteven Gonzalez判事は米国時間28日、Microsoftの元取締役Kai-Fu Leeに同社との競争禁止契約に従わせるべきだとするMicrosoftの要求を認める判決を下した。
Googleは19日、Leeをプレジデントとして採用し、中国に新設する研究開発センターの指揮や中国での業務の統括にあたらせると発表した。Leeはそれまで、Microsoftのバイスプレジデントとして、中国における事業で重要な役割を果たしてきた。またMicrosoftの申立書によると、LeeはMicrosoftで複数の検索技術開発プロジェクトを指揮していたという。
GoogleがLeeを雇い入れたことを発表したその日に、Microsoftは1年間の競争禁止契約に違反したとして、Leeを相手取った訴訟を起こした。またMicrosoftは、GoogleもLeeの違反行為に加担したとして、Googleも提訴した。一方、Googleはその2日後に、Microsoftの競争禁止契約が無効であると主張し、カリフォルニアの裁判所に申し立てを行った。
GoogleとLeeの両者は、LeeがGoogleで手がける仕事について、同氏がMicrosoftで行ってきた業務とは競合しないと主張している。またLeeは、Googleには自ら接触したと述べ、スカウトされたわけではないとしていた。
Gonzalez判事は28日に下した判決のなかで、Leeに対し、中国コンピュータ検索市場における技術開発/ビジネス戦略/計画立案をはじめ、Microsoftで取り組んだすべての分野の業務に関わることを禁止した。
またGoogleとLeeは、LeeがMicrosoftで働いていたときに入手した企業秘密や知的財産情報を公表/流用したり、LeeがMicrosoftで行った業務に関する文書やデータを消去したりすることも禁じられた。LeeはMicrosoftで入手した文書や資料を1日以内にMicrosoftに引き渡さなければならない。また、判事はLeeに対し、Microsoft社員をGoogleに勧誘することも禁止している。
また同判事はMicrosoftに対しても、関連文書を消去することを禁じた。また、今回の一時差し止め命令が無効であると判断された場合に、GoogleやLeeが負担した費用や損害補償にあてるために、担保として100万ドルの保証金を拠出するようMicrosoftに命じた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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