Apple ComputerがMacファンサイトに情報源の開示を求めることを認めた判決を不服として、Electronic Frontier Foundation(EFF)は米国時間22日、控訴したことを明らかにした。
Appleは、未公開製品に関する情報をThink Secret、Apple Insider、PowerPageなどのウェブサイトに流出したとして、氏名不詳の人物を相手取った訴訟を起こしている。これにあたり、Appleは、PowerPageのインターネットサービスプロバイダであるNfoxに対し、情報を開示した人物の特定につながる記録開示を求めている。
これに対し、カリフォルニア州高等裁判所の判事は11日、Appleには情報源を知る権利があるとする判決を下した。企業秘密の公開には、ジャーナリストが従来享受してきた情報源を保護する権利が適用されない、というのがその理由だ。2つのウェブサイトの代理人を務めるEFFはこの判決に対し、電子メールのプライバシーに加え、ジャーナリストの自由を脅かすものだとコメントしていた。
EFFは22日にカリフォルニア州控訴裁判所に提出した文書の中で、「あいまいな言葉をつかって表現された今回の裁定は、出版物、ラジオ、テレビ、インターネットなどさまざまな分野で活躍するジャーナリストを脅かす内容となっている」と述べている。また、「この裁判で問われるべきなのは、Appleが証拠情報を入手したいあまりに、ジャーナリストに与えられている権利を手荒く扱ってよいかどうかの1点のみだ」と同文書には記載されている。
ジャーナリストには情報源を保護する権利が与えられている。今回の訴訟は、ブログやファンサイトを含むオンラインメディアにもこの権利が同等に与えられるかどうかの試金石として注目を集めている。
だが、高等裁判所の判事James P. Kleinbergは11日の判決において、この問題を回避した。公共のきわめて大きな関心を集めている事項でない限り、企業秘密を公開したメディアには既存の権利は適用されないとKleinbergは述べている。また、これは従来の出版メディアであっても同様だと同氏は付け加える。
Appleの未発表製品に関する情報は、「ハードディスクに同じ情報を保存したラップトップコンピュータなど、ほかのさまざまな物品と同じ盗品である。統一企業秘密法(Uniform Trade Secrets Act)やジャーナリスト関連法(Penal Code for journalists)など対象となる法律にも、または対象者にも、例外や免除はないということになる」(同判事)
同判事は、EFFに上訴のための時間を与えるべく判決の執行を7日遅らせていた。
Appleの関係者からこの件に関するコメントを得ることはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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