著作権保護拡大を進める先ごろの議会の動きに反対するインターネット活動家団体の訴えが、連邦裁判所判事に棄却された。
この訴訟は、インターネット界の先駆者Brewster Kahleが中心になって起こしたものだ。同氏は最近、「Internet Archive」プロジェクトを通して、ウェブサイトやその他のメディアのデータを保管する巨大なデジタルアーカイブを構築しようとしている。先週の裁定は、芸術作品の法的保護拡大に反対する活動家や学者にとって新たな痛手となった。
連邦議会は著作権者の意思に関係なく著作権保護期間を延長する法改正によって、著作権法を台無しにしてしまったと、Kahleらは訴える。同氏らは裁判所に対し、先ごろ行われた著作権法の変更の大半について違法性を認めるよう求めた。この変更がなければ、1960年代から1970年代の大量の書籍、映画、音楽の公的利用が今ごろ実現していた可能性がある。
連邦裁判所のMaxine Chesney判事は米国時間24日に発表した裁定のなかで、裁判所が介入しなくても連邦議会は既に著作権保護拡大の法改正について十分な柔軟性を持たせていると結論づけている。
同裁判所は、昨年の最高裁判所の判例に倣って今回の裁定を下している。最高裁は、連邦議会には著作権の保護期間を延長する権限があるとしている。Ruth Bader Ginsberg最高裁判事は裁定のなかで、裁判所には「議会などが下した政策関連の判断に対し、修正を命じる権利はない」と述べた。
Kahleや、その他のアーカイブプロジェクトは、著作権の失効した作品や、著作権保護期間内でも絶版になるなど入手困難になった作品の流通を目指していた。だがKahleらによると、先ごろ行われた著作権の延長で実現が不可能になってしまったという。
Kahleは24日、控訴する計画を表明し、本当の戦いの場が控訴裁判所になることはかねてより予想していたと述べた。判事は裁定のなかで、Kahleの言う「訴訟の主眼」--著作権者の申請に基づき再登録するのではなく、著作権期間を自動更新するという法改正の是非については触れていない。
「著作権法をオプトイン型からオプトアウト型に変更することの是非が地裁では考慮されなかった。法改正のために、著作権保護のあり方が劇的に変化してしまっている。さらに、インターネットで公開できるものまで変わってしまっている」(Kahle)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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