ポータルサイトgooを運営するNTT-XとGoogleは10月2日、日本語での検索サービスにおける技術面およびマーケティング面での戦略的提携に合意したと発表した。今回の提携でgooは、Googleよりウェブデータベースを含む検索基本機能の提供を受け、そこに独自の検索キーワード自動補正機能等の技術を加えた新たな検索サービスを提供するとともに、Googleの提供する検索キーワード連動型広告「アドワーズ」を採用する。またGoogleは、gooを通じてNTT研究所の日本語処理に関する技術提供を受け、検索機能の充実化を計っていくことを検討する。
純粋な国産検索エンジンであることをアピールしてきたgooがGoogleと提携することで、gooが独自の検索エンジンをあきらめてしまうようにも見える今回の提携だが、NTT-X代表取締役社長の中嶋孝夫氏は、「Googleのエンジンをそのまま受けるわけではないので、国産検索エンジンが消えるのではない」という。「検索エンジンにはバックエンジンとフロントエンジンがある。今回の提携は、バックの部分に世界最高レベルの検索機能を持つGoogleを採用し、最終的に顧客に見せる部分、つまり日本語処理などを含むフロント部分はgooが受け持つというもの。gooでは日本語特有の問題を解決し、日本のユーザーに快適な検索結果を提供することに力を入れていく」(中嶋氏)
NTT-X代表取締役社長の中嶋孝夫氏(左)と、Google業務開発・営業担当副社長、Omid Kordestani氏 | |
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具体的にgooが強化しようとしている部分は、日本語処理技術だ。現在日本語検索全般において、検索結果が日本語特有の問題を含んでいる割合は全体の12%にものぼるのだという。その問題とは、カタカナ表記などのゆれ、漢字の送り仮名、誤表記、表現の多様性、略語など。たとえば「ドラえもん」と検索するとドラえもんの公式ページが検索されるが、「ドラエモン」で検索すると公式ページが見つからないといった現象が起こるのだという。このような問題を解決すべく、日本語処理技術を充実させ、「従来のキーワード検索を越えるサービスの実現に取り組む」と中嶋氏。
Googleの業務開発・営業担当副社長Omid Kordestani氏は、「(gooとGoogleは)品質の高い検索サービスを提供したいと強く思っている点において価値観が同じで、相性がとてもよい。Googleは2000年から日本でサービスを開始しているが、パートナーとのネットワークを通じてよりよいサービスを提供したいと考えていた。今回の提携は、その中でも最高のものだ」と述べている。
goo上で新しい検索サービスが提供開始されるのは、今年の12月1日から。なお、今回の提携により、gooがこれまで検索キーワード連動型広告で提携していたオーバーチュアとの関係は終了することになる。いっぽうのGoogleでは、「他社との提携関係に影響はない」(同社PRスペシャリスト、斉藤香氏)としている。
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