ウェブサイト開設から6ヶ月しか経過していないのに、会員数が100万人を越え、その数が今も増え続ける米Friendsterのサーバには、膨大な需要をさばくのに四苦八苦という状態だ。同サイトを模倣するライバルも続々登場し、さらに有料会員制へ移行するとの噂が利用者を苛立たせている。
この個人向けネットワーキングサイトに熱狂的な注目が集まる中、同社の創業者兼最高経営責任者(CEO)であるJonathan Abramsは、自分で電話を取り、報道関係者からの問い合わせの対応に追いまくられている。
「我々にはマーケティング部門がない。PR会社も抱えておらず、すべてを自分1人でこなしている」と、AbramsはCNETのインタビューのなかで語った。カリフォルニア州サニーベールに本社を置く同社の社員数は10人に満たない。
だがAbramsは、米国時間9月2日に発表した総額で100万ドル超の「エンゼル投資」のおかげで社員を増やせるかもしれない。この出資者のなかには、米Yahooの元CEOでFriendsterの取締役になるTim Koogle、米PayPalの元CEOのPeter Thiel、そして米Amazon.comと米Netscape Communicationsで幹部を務めたRam Shriramなどが名を連ねている。
いまだに試験運用あるいはベータのフェーズにあるFriendsterは、友人や知人を結びつけた個人間のネットワークを築くことで、現在の規模にまで成長した。このネットワークはパーミッションベースのもので、ユーザーはメッセージを交換したり、互いのホームページを見たり、他のメンバーの人となりを記したり、といった活動が可能だ。同サイトは、その多くが「出会い系」の目的で利用されているが、Friendsterは既に交際中の人々のなかにも熱心なメンバーがおり、またそうした人たちにも利用してもらおうと、売り込みを図っている。
新たにFriendsterに出資した3人の投資家は、このサービスをサイトを高く評価しており、これまでインターネットで成功してきたサイトと同列に並べている。
「インターネットにある大きな機会はすべて利用し尽くされた、と誰もが考えた時に、そもそもルール自体を変えてしまうような企業が登場する。Friendsterもそんな企業の1つだ。同社の目の前には膨大なチャンスが広がっており、国際的な展開も可能だ。そこに自分が関わっているのは感動的だ」(Koogle)
ある業界アナリストによると、Friendsterにはインターネットのこれまでの成功例と同じ成長を遂げるポテンシャルがあるという。ただし、コンシューマーにとっては、最も成功したところさえ、すでに目新しさを失っている。
Friendsterは先週、Napsterの共同創業者であるSean Parkerを顧問に迎えて、大きな話題となった。同サイトは、既存メンバーが非メンバーに対して自分のネットワークへの入会を積極的に勧誘する、いわゆるバイラルマーケティングの手法で急速に拡大した。同サイトには本当のライバルや前例はないが、多くの類似サービスやパロディ版が生みだされている。
たとえば米Ryzeは、紹介者(コンタクト先)のネットワークを提供している。ただし、この場合は企業向けのものだ。同社の基本サービスは無料だが、有料のプレミアムサービスもすでに開始している。また別の競合相手である米Emodeは、先日「Emode Friend Network」というFriendsterとよく似たサービスのプレビュー版を公開した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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