米Yahooは自社の検索サービスを強化するため、検索エンジン大手の米Inktomiを2億3500万ドル相当で買収する計画だ。
Yahooは、Inktomiの株式1株あたり1.65ドルを支払う。Inktomiは20日、1株あたり1.17ドルで株式取引を終了している。買収総額には、Inktomiの現金および負債残高の調整も含まれる。買収手続きは2003年第1四半期に完了する見込みだ。
Inktomiは先頃、 米Verityに法人向け検索事業を2500万ドルの現金で売却する取引を完了している。
法人向け事業部門の売却により、Inktomiは一般消費者向け事業に注力する意向だ。Inktomiはライバルの検索企業、とりわけ最も傑出した米Googleとの競争激化に直面していた。なお、Inktomiは最近、従業員の20%を削減した。
Yahooの買収提案は、Inktomiにとって大きな転換点を意味する。1996年に設立したInktomiは、ドットコム企業が活況を呈していた時代、検索技術における最大手の1つと数えられていた。同社が検索技術を提供していた企業には、米Ameirca Online(AOL)、米Excite@Home、米RealNetworks、米NBC Internetなどがあった。また同社は1998年に株式を一般公開し、3600万ドルを集めた。しかし、Yahooが2000年6月にInktomiからライバルのGoogleに乗り換えた時、大きな打撃を受けた。
Inktomiは現在、米MSN.comや米About.comなどのウェブサイトと契約し、それぞれに検索サービスを提供している。一方、自社でカテゴリー別検索を提供しているYahooは、先頃、GoogleやOvertureと契約を結んだ。その契約内容は、Yahooの日本語版サイトYahoo! Japanで検索キーワードに関連した広告を掲載するというものだ。またYahooは10月、自社のカテゴリー別検索サービスを補完するものとして、Googleの検索サービスの採用を長期契約に延長すると発表した。その期間については特定していない。
Yahooの最高経営責任者(CEO)のテリー・セメルは発表の中で、Inktomiの買収により、一般消費者と法人向け市場に対して、より画期的で新しい検索サービスを開発する能力が向上し、同社の検索事業に「管理性と柔軟性」が加わるだろうと述べている。
しかし両社は、Inktomiの消費者向け事業がどのようにYahooのサービスに組み込まれるか、またYahooのグーグルとの提携に今回の買収がどのように影響を及ぼすかについては、明確に述べていない。
インタビューの中で、Yahooの最高経営執行者(COO)のダン・ローゼンワーグは、Yahooが「他のプロバイダーと大変良い関係にあり、その良好な関係を維持していく方針だ」と述べたが、詳細な情報については明らかにしなかった。
ローゼンワーグは、Inktomiとの提携は、Yahooの検索サービスを強化するという、より大規模な計画の一環であると語っている。
「Yahooは常に最良のユーザー体験をウェブで提供してきた。われわれは最近の電話会議で、検索サービスを改善するために買収や拡張、提携に専念することを明確にした」とローゼンワークは述べた。
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