カリフォルニア州カールズバッド発--FBIや警察当局は、何年も前から顔認識技術を利用してきた。しかし、Riyaが来週から提供するサービスによって、この技術が一般ユーザーでも使えるようになる。
スタンフォード大学で顔認識技術を研究し博士号を取得したメンバーらが立ち上げたRiyaは、すでにウェブサイトを立ち上げている。このサイトでは、「文脈認識(技術)」を使ってデジタル・フォトアルバムのなかから、よく似た写真を検索できるようになると、共同創業者のMunjal Shah氏は、当地で開催中の「PC Forum」で講演した。Riyaのサービスでは、たとえば義理の母親の写真を数枚サンプルとして同社のウェブサイトにアップロードすると、Riyaの検索エンジンがユーザーのPCに保存されている(母親が写った)他の写真を見つけ出すといったことが可能だ。
同氏によると、文脈認識技術とは、顔認識技術を強化したようなものだという。Riyaのソフトウェアは人物の顔を調べるほか、その人物がきているシャツなど、他の手がかりも利用して似たものを見つけ出す。さらに、このソフトウェアは画像の中にあるテキストも探すため、たとえば「フロリダへようこそ」という看板の横に立つ人物の写真は、「フロリダ」というキーワードで見つけ出せるという。
ちなみに、3VR Securityなどの他社では、顔認識技術や画像検索技術をセキュリティカメラに応用しようとしている。
Riyaのソフトウェアが顔以外の手がかりも利用できるのは、一般の人々の写真アルバムが、警察当局の利用する写真認識システムで集められたデータに比べて、はるかに予想しやすいからだと同社は説明している。一般人のアルバムには限られた数の人物が写ったものしかなく、また同じ人物を撮った写真が複数あることが多い。それに対して、FBIが保管する膨大な数の写真のなかには、同じ容疑者の写真は数枚しかない。
そのため、ユーザーが使用するPCのハードディスクのなかからサンプル写真とマッチするものを見つけ出すのは、そう難しくはない。また、人間には何度も同じ服を着る傾向があるため、衣服を手がかりにすることも可能だ。
「従来の顔認識技術ではこれはできない。なぜなら、オサマ・ビン・ラディンは同じセキュリティカメラの前を10回も行ったり来たりしないからだ」(Shah氏)
Riyaはこのソフトウェアに手を加えて、さまざまな条件に従って写真を検索できるようにしている。たとえば、被写体の顔がわずかに横を向いている2次元のサンプル写真は、仮想の3Dモデル上にマッピングされ、正面から撮った写真とも同じ人物が写っていることが識別できる。また、ある写真で首を傾けている人物の写真も問題なく識別できる。
「たとえば、友人の肩に腕をまわし、頭を傾けたような人物を撮った写真は数多く目にしたことがあると思う。両目が写っていれば、問題なく見つけだせる」(Shah氏)
Riyaの検索エンジンの精度は現時点で約70%。ハードディスクのなかに100枚の写真があるとすると、70枚は見つけだせるが、30枚は見逃してしまう。また間違った写真も7枚くらい見つけるとShah氏は説明した。対象となる写真は、屋外で撮ったものよりも室内で写したもののほうが見つかりやすく、髪型の違いや照明の条件など環境がことなってもそれを埋め合わせることが可能だ。また1度に2人分の顔を探すこともできるので、たとえば本人と配偶者だけが写った写真を探すといったこともできる(ただし、ペットではうまくいかないと、同氏は認めた)。
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