MicrosoftのCTO(最高技術責任者)、Ray Ozzieが、PCのテキスト用クリップボードに相当する手段をウェブで実現する方法を提案した。同氏によると、こうした機能が実現されればユーザー主導の「マッシュアップ」が増加するという。
Ozzieは米国時間7日、サンディエゴで開催中の「O'Reilly Emerging Technology Conference」で行った講演のなかで、「Live Clipboard」と呼ばれるMicrosoftのプロジェクトを紹介した。このプロジェクトの詳細は同氏のブログで明らかにされている。
Live Clipboardの背景には、ユーザーのプロファイル、RSSフィード、カレンダー情報といった構造化された情報のなかをウェブユーザーが容易に動き回れるようにする狙いがある。PCユーザーがクリップボードを使ってアプリケーション間でテキストをコピー&ペーストするように、Live Clipboardはウェブサイトやコンピュータ間で情報を組み合わせる(「マッシュアップ」する)ような設計になっていると、同氏は説明した。
Live Clipboardは、スキーマと呼ばれるXMLベースの各種フォーマットをサポートする。Live Clipboardのデモでは、カレンダー情報やブロガーのプロファイルを(マイクロソフトのブログサービス)「MSN Spaces」のウェブページから、「Facebook.comなど」のサードパーティーのウェブサイトにコピーする様子が、Microsoftのエンジニアによって紹介された。Live Clipboardは、単純にFacebookサイトにテキストを渡すのではなく、カレンダー情報を適切な日時に自動的にアップデートする仕組みになっている。
Ozzieは、弟のJack OzzieをはじめとするMicrosoftの社内チームにLive Clipboardの技術仕様策定作業を依頼したという。同システムは、異なるウェブブラウザ間でも機能する設計となる。
「目標は、多くの異なるシナリオ、多くの異なるウェブサイト、多くの異なるPCベースアプリケーション間で機能する標準を策定することだ。『Simple Sharing Extensions』と同じように、これも『Creative Commons Attribution-ShareAlike』ライセンスでリリースする」(Ozzie)
同氏はさらに、Microsoftが自社のLiveホスティングサービス内でLive Clipboardを採用することも明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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