サンフランシスコ発--エンターテインメント集団Cirque du Soleil(シルク・ドゥ・ソレイユ)の新しいショー「Corteo」の公演を6時間後に控えた大テントの舞台裏では、ステージをまたぐ2本の巨大なアーチ型の軌道にぶら下がったドリーを、複数のコンピュータが制御している。
ドリーには3つの巨大なシャンデリアがぶら下がり、曲芸師が旋回や回転の練習を繰り返している。
ドリーは、サーカスのテントや劇場でよく見かける装置で、曲芸師やアシスタントを高い位置まで上げるために使われる。ほとんどすべての出し物が跳躍や、空中に高く跳ね上がる動作を含んでいるため、ドリーを動かすシステムは公演の大事な要素となっているが、これが完全に自動化されているという。全自動化は、初期のCirque du Soleilでは考えられなかった話であり、また、同団の他の出し物でも珍しいことだ。
Corteo公演で団員が飛んだり、体を曲げたり、おどけたりする巨大な青色と黄色のテントの下で聴衆はほとんど気がつかないが、いたるところでハイテクが駆使されている。
「使用される技術的要素は絶えず小さくなっている。技術を限界まで試して、クリエーターにできるだけ多くのものを提供するのがわれわれの使命だ」と、Corteo技術責任者でもあり、「Quidam」で2年間過ごしたベテランのMichael Wilderは述べた。
例えばショーの大部分の照明は、Wireless DMXというプロトコルを使って制御されている。曲芸師がシャンデリアから吊るされるというように、空中動作が多いため、有線システムを使用するのは不可能だとWilderは説明した。そこで舞台裏では技術専門家が自動的に信号を送るコンピュータを操作し、テント内の空中または梁(はり)やトラスに取り付けられた何百という照明を必要に応じてつけたり消したりしている。
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