Microsoftが「Windows Live Mail」のベータ版を公開した。これは、デスクトップ製品に対応するウェブベースの製品を展開しようとする同社の戦略の一環として出されたものである。
テスター向けに公開されたWindows Live Mailのベータ版は、11月初旬に発表された「Windows Live」サービスのもとでリリースされる。また、これはMicrosoftにとって、現行の無料ウェブメールサービス「Hotmail」を刷新する取り組みの成果でもある。
MicrosoftのMSN部門リードプロダクトマネージャBrooke Richardsonは、同社がWindows Live Mailを、アクティブユーザー2億1500万人を擁するHotmailとは別のシステムとして、ゼロから開発していると述べている。サービスをゼロから構築する目的は、パフォーマンスを向上させることと、デスクトップインストール型の電子メールアプリケーションが備えるような機能を提供することにある。同氏によると、Windows Live Mailは、最近人気を集めているプログラミング技術「AJAX」を中心に構築されているという。
Microsoftは、Windows Liveを通して、電子メールサービスやブログ、インスタントメッセージングソフトウェアなどのインターネットベースのツールを、個人ユーザーに提供しようとしてる。GoogleやYahooといった大手ウェブ企業に対抗することを強く意識するMicrosoftは、こういったサービスの費用を広告収入でまかなおうとしている。
Microsoftは現在、Windows Live Mailの最終調整に入っており、同サービスの正式版がリリースされるのは2006年になる。Microsoftは7月以来、限定されてユーザーを対象にメールサービスの試験を行ってきており、今後2〜3カ月のうちにはテスターの数を増やす計画だとRichardsonは述べている。
Windows Live Mailのベータ版には、10件近くの新機能が盛り込まれている。これらの中には、作成中のメッセージに綴り間違いがあると、該当する部分を下線で表示したり、その単語をマウスで右クリックすると修正候補が表示されたりするスペルチェックツールも含まれている。
Microsoftはまたセキュリティ機能も強化している。たとえば、同社は、個人情報盗難に用いられるフィッシングメールを警告する機能追加している。同プログラムはすべての受信メッセージを、「known sender(既知の差出人)」「unknown sender(不明な差出人)」「unsafe(危険)」という3段階の安全レベルにしたがってランク付けする。
Windows Live Mailではまた、各メッセージの本文を検索したり、件名とアドレスをチェックしたりする検索エンジンの高速化が図られている。さらに、受信トレイとアドレス帳にはスクロール機能が追加されているため、1ページでより多くのメッセージやエントリーを見ることが可能となっている。
Richardsonによれば、Windows Live Mailにおいては、Hotmailでは250Mバイトだった無料のメッセージ保存容量が2Gバイトにまで拡張されるという。hotmail.comの電子メールユーザーは、Windows Live Mailでも同じメールアドレスを使用できる。テスト版へは、Windows Live Ideasサイトからアクセスできる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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