親会社のTime Warnerから2003年後半に売却され、今年始めに上場して以来、デジタル配布に重点を置いてきたWarner Musicにとって、Cordless Recordingsレーベルはいくつかの点で野心的な実験といえる。
Warnerの新オーナーEdgar Bronfman Jr.は、デジタル市場が業界の成長に重要な役割を果たしているという自分の信念を、投資家に対して機会あるごとに繰り返し強調してきた。また先ごろ、携帯電話業界の大きな集まりで聴衆に対し、「この会議は音楽業界にとってもっとも重要な会議だ」と語った(News.com親会社CNET Networks最高経営責任者であるShelby Bonnieは、今週始め、Warner Music Groupの重役会に加わっている)。
Cordless Recordingsは、デビューアルバムの制作やプロモーションに大金をつぎ込むよりも、バンドをじっくり育てていくうえでは、インターネットを利用した比較的安上がりな配布手段とマーケティングのほうがレコード会社にとって費用効果があることを証明する賭けのようなものだ。
また、Cordless Recordingsは、忍耐のいる実験でもある。同社のアイデアとしては、3曲入りのクラスタを数カ月ごとにほぼ2年かけて発表していく予定だ。このアプローチでは、アーティストが芸術的に成長し、ファン層を広げていくことを可能にするが、12曲入りのアルバム1枚にすべてを賭けるという、従来の方法とは大きく異なっている。
「賢いお金の使い道だ」とロサンゼルスを本拠とし、The Killersを含むバンドを抱えるFrom the Future Management共同創設者のLarry Littleは述べた。「この方法だと、バンドは発売と同時にヒットを飛ばさなくとも済む。今は、デビューと同時にヒットを出さなければならないという圧力が強すぎる」(Little)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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