リモコンで操作可能なSleipnirベースの「Lipiiブラウザ」が登場

永井美智子(編集部)2005年11月09日 19時37分

 低価格のPCや液晶テレビを製造・販売するクイックサンと、ブラウザ開発企業のフェンリルは、リモコンで操作可能なブラウザ「Lipiiブラウザ」を共同で開発した。12月1日よりクイックサンのサイトで無償配布する。

 Lipiiブラウザはフェンリルのタブブラウザ「Sleipnir」をベースに開発されたもの。PC向けの動画配信サービスを大型の液晶ディスプレイやテレビに映し出してリビングなどで楽しむユーザーをターゲットとしている。

 お気に入りやサイト内のリンクには数字が割り振られ、クイックサンが提供する専用リモコンや対応アプリケーションを搭載した携帯電話で数字を入力すると、見たいサイトに接続できる。サイト内のリンクは上から順番に1から999までの数字が自動的に割り振られる仕組みだ。Lipiiブラウザ上では各リンクに割り振られた数字も同時に表示される。また、携帯電話と同じ方法で文字を入力できるようにして、検索サービスも利用しやすくするという。

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Lipiiの画面イメージ。リモコンで数字を入力すれば希望のリンク先を表示できる

 Lipiiブラウザを利用するには、赤外線を受信する専用の受光器をPCに取り付ける必要がある。受光器は1000円程度といい、リモコンも含めると9000円程度になるという。携帯電話から操作する場合には専用のアプリケーションをインストールする必要がある。このアプリはクイックサンが開発したもので、同社のサイトで無償提供される予定だ。サービス開始時はNTTドコモのiアプリを用意するが、将来的にはauやボーダフォンにも対応したいとしている。

 今回の技術はクイックサンからフェンリルに話を持ちかけて実現したものという。リンク先に数字を割り当てて操作するというアイデアはクイックサンによるもので、同社はこの仕組みを特許申請する方針だ。

 クイックサンはLipiiブラウザ向けのポータルサイトを用意する。ここではニュースや天気予報のほか、クイックサンと提携したピザチェーン店などが提供する商品情報が表示される。クイックサンはこのポータルを通じて商品が売れた場合、売上の一部を紹介料として受け取る。

 フェンリルでは今後の開発方針について、「Sleipnirの開発を中心に進めるが、他社から話があって、Sleipnirの開発に影響が出ない範囲であれば対応する」としている。

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