米国のモハベ砂漠で8日(現地時間)、無人ロボット自動車レース「DARPA Grand Challenge」が開催され、スタンフォード大学のスタッフや学生がつくる「Stanford Racing Team」の無人ロボット自動車「Stanley」が131.6マイルの距離を6時間53分で走破し、2着のカーネギーメロン大学の「Sandstorm」におよそ11分の差をつけて優勝した。Stanleyの平均時速は、19.1mph(マイル/時間)だったのに対し、Sandstormは18.6mphだった。
Stanford Racing Teamは優勝賞金200万ドルを獲得した。優勝したStanleyと2着のSandstorm以外にも2台の無人ロボット自動車がDARPA Grand Challengeの起伏の激しいコースを同レースの制限時間である10時間以内に走破した。
しかし、先週末はそれら4チームすべてが歴史を作った。各チームの無人自動車は、今年2年目となる同レースで初の完走を果たしただけでなく、制限時間よりもはるかに短い時間でゴールインしたのだ。
米国防総省の研究開発部門で、同レースを主催する国防高等研究事業局(DARPA)のディレクター、Tony Tetherは「これらの自動車は世界記録を樹立しただけでなく、歴史も築いた」と称賛した。
DARPAは米国議会からの指令に基づき、数年前から軍用無人自動車向け新技術の育成に乗り出している。議会は、戦場で戦う兵士の生命を守るため、2015年までに軍用自動車の3割を無人自動車にするように命じている。また議会は、研究費をGrand Challengeの開催費用に当てることを認めている。同大会開催の目的は、大学や民間企業に高度な技術を備えた無人自動車を開発してもらうことにあった。しかし2004年の大会では、全ての参加チームが予選落ちとなり、優勝チームを決定するには至らなかった。最長走行距離を記録したSandstormもおよそ7マイルの地点でタイヤがスピンし、リタイヤした。
「これでやっと使命を果たすことができた。これらの胸躍るような素晴らしい技術が実用化される日を心待ちにしている」とTetherは語った。
しかし、DARPAの広報担当者は8日に開いた記者会見で、Grand Challengeは今大会が最後となる、との見通しを示した。
同広報担当者は「2006年にわれわれが同様のレースを開催することはないだろう」と述べ、さらに「今大会を超える大会を主催する方法など思い付かない」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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