サンフランシスコ発--当地で開催中の第2回「Web 2.0 Conference」で、InterActiveCorp最高経営責任者(CEO)のBarry Dillerは米国時間5日、同社がウェブ向けの独創的なコンテンツを開発する予定だと述べた。
「今後わが社は、30分、1時間、2時間の長さを持つデジタル作品の製作やそのための資金調達、配布にかかわっていくことになるだろう。わが社にとってこれが当然の流れである理由は、すべてがデジタル化に向かっているからである」と、3日間にわたる会議の開会式でDillerは参加者に語った。
Dillerは、パソコンとテレビの融合が娯楽作品の制作、配布、使用をとりまく状況をどのように変えていくかについて熱く語った。同氏は検索ボックスがメディアアクセスの中心になると指摘した。「私はすべてが1つの世界に集束していくと思う。融合は、再生機に変化をもたらす可能性がある」(Diller)
InterActiveCorpは、チケット会社のTicketmaster、出会い系サイトのMatch.com、旅行サイトのExpediaなどのオンラインサイトを所有している。
Dillerのコメントは、多くの従来型のメディアや同氏の会社であるInterActiveCorpのようなインターネット大手企業が、いち早くウェブコンテンツ開発へ移行しているなかで発せられたものだ。例えば、Yahooは映像業界周辺に足場を築きつつあり、関係筋によるとウェブ向けの独自の番組を開発しているという。
直接番組を開発しているわけではないが、Googleは先ごろ、UPNの「Everybody Hates Chris」の最初の数話を配信する契約を結んだ。これは人気コメディアン、クリス・ロックの若い頃の生活を描いたシリーズで、検索最大手のGoogleがこのような契約を結ぶのは初めてのことだ。
一方、コンテンツ制作とインターネット配布を一体化させようとするメディアの整理統合も進んでいる。メディア王ルパート・マードック率いるNews Corp.は先ごろMyspace.comを買収した。また、New York TimesはAbout.comを傘下に収めた。
3月に、IACは業界ナンバー4の検索エンジン会社、Ask Jeevesを18億5000万ドルで獲得するという大きな賭けに出た。Dillerによると、Ask Jeevesを買収することに決めたのは、インターネット検索企業が旅行情報や出会い系サイトやチケットサービス情報などをますますひとまとめにして提供するようになり、IACの数多くのサイトの存在が脅かされるようになったからだという。Ask Jeevesが気に入った理由は業界ナンバー1のGoogle、ナンバー2のYahooやナンバー3のMSNを含むライバル会社と異なるサービスを提供できるからだという。
Googleの天下は永遠には続かないだろうと同氏は述べた。
「今後もGoogleは引き続き35%から50%のシェアを占めるだろうか?そうはならないと思う」とDillerは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス