欧州委員会(EC)はどうやら、Googleが世界の情報をデジタル化するのを黙って見守るつもりはないようだ。ECは現在、欧州の「歴史的・文化的遺産をデジタルコンテンツに」変換することを計画中だ。
ECが現地時間9月30日に発表した内容によると、このプロジェクトの目的は、欧州の遺産に関する記録をデジタル化して保存し、欧州市民がオンラインで利用できるようにするというもの。書物、フィルム、写真、原稿、スピーチ、音楽などを対象とする。欧州連合(EU)は、この計画の実現化に向けて、加盟国に対し高いレベルの協力を提案している。また、EUは、この計画に関する意見を2006年1月20日まで受け付けている。
「集団的記憶なくして、われわれの存在は意味を持たず、何にも到達できない。集団的記憶はわれわれのアイデンティティを定義している。われわれは、教育、労働、余暇などのことあるごとに、この集団的記憶を利用するのだ」と情報社会/メディア政策委員のViviane Redingは述べている。
ECはもちろん、欧州の図書館や文書館にあるリソースをオンラインで利用できるようにするためのプロセスは、「簡単ではない」ことを認識している。そこで、今後のアクション分野として、デジタル化、オンラインへの容易なアクセス、デジタル保存の3分野を定義している。また、ECはそのようなイニシアティブはすでに加盟国の間で進んでいることも認識している。たとえば英国には、英国図書館が支援し、英国営宝くじから資金の一部得ているCollect Britainプロジェクトがある。
世界中の遺産を集めるというテーマは、世界中の知識を1つのサーチエンジンに蓄積しようとするGoogleの取り組みがきっかけとなり、先日一気に注目を集めた。とりわけ高い関心が集まっているのは文学だ。Googleの計画は、8月に米作家協会が「明白かつ厚顔無恥な著作権法違反」として非難したことで、法的な問題にぶつかっている。
Yahooは米国時間3日、Internet Archive、カリフォルニア大学などとともに、世界中の文書館にある書籍をデジタル化し、ウェブ検索エンジンにより検索可能にし、無償でダウンロードできるようにするプロジェクトを進めることを発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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