シックス・アパートは9月29日、企業向けブログを担当する部署を新設し、「MovableType」の開発チームを日本にも設置すると発表した。
米Six ApartのCEO バラック・バーコヴィッツ氏は、「ブログは当初、個人向けのツールとして登場したが、今では企業での利用が拡大している。中でも日本では、ブログが社内イントラとして、またCMSとして活用され、企業向けブログの普及が急速に進んでいる」と述べ、組織改編に至った背景を説明した。
企業向けブログに注力する姿勢を示した米Six ApartのCEO バラック・バーコヴィッツ氏 |
今後MovableTypeの企業向け製品は、日本が中心となって開発する。開発チームのワールドワイドリーダーは、シックス・アパート 執行役員の平田大治氏が務める。これにより、「日本での企業向けブログのニーズにこれまで以上に迅速に対応できる」(バーコヴィッツ氏)という。
企業向けブログの専任部署を新設したのも、日本における企業のブログ利用状況から、この分野にビジネスチャンスがあると判断したためだ。例えば、「日本のP&Gは企業ブログを利用してマーケティングに成功した。この事例を見て米国本社でも同様のブログ活用を始めた」と、日本での活用事例が海外でも利用されたケースをバーコヴィッツ氏は紹介した。
「企業向けブログの可能性は無限だ」と米Six Apartバイスプレジデント アニール・ダッシュ氏 |
新設部署を統括する米Six Apartのバイスプレジデント アニール・ダッシュ氏は、「ブログを使うことで、企業サイトのSEOにもつながる。Six Apartもそうだが、米General MotorsやWal-MartなどもPRサイトにブログを導入している。日本ではこうした利用法に加え、社内イントラとしてプロジェクト管理にブログを使うことも多いようだ」と述べ、企業ブログの可能性の幅広さをアピールした。
なお、ダッシュ氏は、オーストラリアのある企業が実施したSEOコンテストで優勝した経験を持つ。その際も「ブログを活用し、関連性の高いリンクを多く貼ってもらうことで優勝できた」とし、ビジネスにおいてもブログを活用して企業サイトに顧客を呼び込むチャンスがあるとした。
今後ダッシュ氏の率いる部署では、ビジネスユーザーのニーズを把握し、「各種ビジネスアプリケーションとの連携など、企業向けの機能を強化する」としている。
ネット関連企業が続々と企業のブログ活用を支援
企業向けブログの専任部署を設けると同時に、シックス・アパートはデジタルガレージとの提携も発表している。
この提携では、デジタルガレージがシックス・アパートのMovable TypeおよびTypePadの販売代理店となると共に、製品の導入コンサルティングやECビジネスの立案、構築、ブログマーケティング施策など、総合ブログコンサルティング事業を提供する。
デジタルガレージでは、「ブログはマーケティングツールとして、また顧客とのコミュニケーションツールとして高い可能性を持つ。しかし、企業におけるブログの導入には、独自のノウハウや運営体制の構築が不可欠だ。シックス・アパートの製品を利用したブログコンサルティングを提供することで、企業ブログの導入を支援したい」としている。
同じく29日には、インターネットを活用したマーケティング事業を手がけるカレンが、アイビィ・コミュニケーションズとファンコミュニケーションズが共同で運営するブログ情報ポータル「BlogPeople」の機能を活用したビジネスブログ支援サービスを開始した。
カレンの提供するサービスの名称は「BlogPeople Promotion」。まずは、自社に関連するブログのリンクを集めて企業ブログの中に設置する「リンクリスト」機能などから提供を開始し、順次機能を拡充する予定だ。すでに日産自動車の「TIIDA BLOG」や、ニフティの「語ろ具」がこのサービスを利用している。
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