普段オンラインショッピングを頻繁に行っている人なら、恐らく次のような経験をしているだろう:まず、オンライン上でセーターや本を購入するために4つか5つの個人情報のウェブページに入力する。その途中で、ふと、追加注文をしようと思い付く。マウスをクリックして前画面に戻り、再び最初からやり直そうとする。しかし、そこでエラーメッセージが表示されてしまう。突然マウスを投げつけたい衝動にかられるが、結局あきらめてしまう。
ショッピングカートの放棄・・・これは長年、電子小売業者と買い物客の双方にとって悩みの種であった。マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置く社員数12人の新興企業Allurentは、ウェブアニメーション技術と関係するこの問題への取り組みを開始した。
同社が開発したショッピングカードプログラムは、1つのオンラインフォーム内で、精算のどの段階でも顧客が注文を容易に変更できるように設計されている。同アプリケーションは、大半のコンピュータにインストール済みのMacromediaの人気プラグインソフトFlash Playerを使用するため、買い物客は同アプリを実行するために何もダウンロードする必要はない。
過去1年間にわたって水面下での準備を進めてきたAllurentは、消費者にとってより説得力のあるオンラインショッピングエクスペリエンスの創造という使命を胸に、米国時間12日に同製品をリリースすると共に、会社を立ち上げる予定だ。同社の3人の創業者Joe Chung、Fumi Matsumoto、Paul Shorthoseは、かつてこのテーマについて共に知恵を絞った。
彼らは1991年にArt Technology Groupを設立している。同社は、American Airlines、Best Buy、Targetをはじめ、大手企業数十社に電子小売用ソフトウェアを販売している。Allurentに関わっているその他の人々としては、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディア研究所のNicholas Negroponteや元MIT理事長のAlex d'Arbeloffなどが挙げられる。両氏は、Allurentのエンジェルインベスターである。
AllurentのCEOであるChungは、オンラインストアに革新をもたらす時期に来ていると主張する。90年代初頭以来、オンラインストア内をナビゲートするツールには、ほとんど変化が見られないというのがその理由だ。ウェブストアは主に、HTML(Hypertext Markup Language)をベースに作られている。
Chung によると、HTMLベースのウェブページのインターフェースは、消費者からも信頼され、よく知られているが、買い物客にとっていくつかの難点があるという。1つは、各ページのロードに時間がかかる点だ。またHTMLでは、最初に発送先情報を入力し、その後に支払い情報を入力するといった具合に、各イベントの順序が決定付けられてしまう。またHTMLは、より活気のあるFlashベースのプログラムに比べ動きに乏しい。
「(HTMLベースのサイト上での)客と店とのやりとりは何となくぎこちない」とChungは語る。
価格が15万ドルと高額のAllurentのプログラムは、資金力のある小売業者をターゲットにしている。Chungによると、同社はまず、米国の大手小売業者200社に売り込むという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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