処方薬のATMというものを聞いたことあるだろうか。
この問いにほとんどの人がノーと答えるだろう。しかし、ニューヨークの薬局チェーンDuane Readeがそれを変えようとしている。同社は1年くらいの間に、ニューヨークの病院や企業のオフィスに処方薬を扱う情報端末を60台設置し、実際の薬局に行かなくても処方薬の購入や薬剤師への相談ができるようにしている。
同社は特許取得済みの同技術を全米に展開しようとしている。同社は米国時間25日、コネチカット州の薬局チェーンDrugMaxとこの情報端末に関する最初のライセンス契約を結んだと発表した。DrugMaxは米国北東部に80近い薬局を持つチェーンで、2005年末までに、コネチカット州の病院と医療センター内を中心に、みずから運営する薬局の顧客向けに情報端末を5台設置する予定である。
この情報端末にはスキャナやビデオ会議の設備が備わり、顧客は処方箋をスキャナで読み込ませたり、薬剤師と対面で相談したり出来る。顧客は後で最寄りの薬局で薬を受け取ることができるほか、宅配も頼める。情報端末が、スキャナで入力された処方箋の情報を、専用サービスセンターに送信し、センターが各地域の薬局に薬を発注する仕組みだ。
(写真提供: Duane Reade) |
Duane Readeは、この情報端末を病院や医療センター、大手企業の中に置くことで、薬局に何度も足を運ばなければならないことを不便に感じている顧客の支持を集めたいと考えている。それはATMのおかげで多くの顧客が銀行に行く回数を減らすことができるのとほぼ同じことだと、Duane Readeの情報端末事業を担当するジェネラルマネージャのDavid Siegelは言う。
「そもそも治療室から出てくる人は病人である」とSiegelは言う。「その病人がわざわざ薬局に足を運び、処方薬が出るのを待つなんて、不合理な話だ」(Siegel)
フロリダ、メリーランド、ミネソタの各州にも、この情報端末が置かれることになるかもしれない。Siegelによると、Duane Readeは現在これらの州の地元薬局とライセンス契約について交渉中であるという。
しかし現時点では、この情報端末はニューヨークの都市圏でしか見つけることができない。例えば、同端末は、Mount Sinai Hospital、Lutheran Medical Center、Lenox Hill Hospitalといった病院や、Citigroup、Viacom、Time、Federal Reserve Bankなどの企業内に設置されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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