音楽鑑賞力は習得したものか、それとも生まれつきのものだろうか……。MITの2人の学生が考え出したインターネット調査は、その疑問に答える一助になるかもしれない。
博士課程に在籍するMary FarboodとJosh McDermottは、人間の音楽鑑賞力について、どの程度文化によるもので、どの程度が生まれつきの習性なのかを決定するために「Music Universals Study」という調査を考案した。この調査に参加するウェブユーザーは、異なる音を聞き比べ、和音が心地よいか不快か、幸福な気持ちになるか、悲しい気持ちになるかなどの質問に回答する。
この調査では、さまざまな文化的背景を持つ参加者の回答が、相違点と類似点を特定するために比較されることになっている。
「音楽鑑賞力のかなりの部分は習得されたものだ。そこまでははっきりしている。はっきりしていないのは、みんなが共有するものがどの程度を占めているかだ。インターネットのおかげで、われわれは新しい調査ツールを手に入れた」(McDermott)
6週間前に始まったこの調査では、幅広い調査サンプルを集めることが、大きな障害の1つとなりそうだ。現在、同調査は英語だけで実施されているが、ヒンドゥー語、中国語、スペイン語とおそらくアラビア語でももうすぐ利用できるようになる。これまでのところ、回答の大部分は北米のユーザーによるものとなっている。
現地調査ではなくインターネットを通じた調査では、海外の回答者の多くが現地に住んでいる平均的な人よりも西洋音楽に通じていることを意味する。確かに現地調査を行うのは非現実的だが、しかしオンライン調査で得られたデータでも、異なる音や和音の組み合わせに対する反応が文化とどの程度無関係かを示すことができるはずだ。
この調査に要する時間はおよそ5分で、最初は2つの音のうちどちらがより心地よく感じられるかを7段階で評価する質問がいくつか出される。次の一連の質問では、回答者が再生された音に幸福感を感じるか、それとも悲しい気持ちになるかを評価する。さらに、流れてくる一連の音声または音符が「次にどう展開されるか」を回答者にたずねる質問がくる。回答者は、緊張が増していく、緊張が弱まる、一定のままである、他のパターンに続くなどの答えを示す一連の絵のなかから、自分の答えを選ぶ仕組みになっている。
McDermottとFarboodは、それぞれ他の研究にも関わった経験を持つ。
McDermottはサルが音楽にどう反応するかを調べる研究をしていた。これまでに、気性の荒いサルに音楽を聴かせても、おとなしくはならないことがわかったという。
また、Farboodは数年前に「HyperScore」というPCアプリケーションを開発したが、これは視覚的な要素を動かして音楽を作曲するためのツールだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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