米著作権局は、計画中のウェブサイトについて、Internet Explorerのみに対応することを示唆すると同時に、特定のブラウザに依存することに関して意見を募っている。
米国議会図書館の一部門である著作権局は、著作権取得予定者のためのサービスをウェブ上で提供開始する計画を立てている。このサービスが特定のブラウザのみに対応した状態でスタートする可能性があることについて、同局は米国時間8月22日まで、一般からの意見を受け付けている。
著作権局は告知のなかで、「現時点の開発状況からいうと、当局のオンライン事前登録システムが、Microsoft Internet Explorer(IE) バージョン5.1以降のウェブブラウザ以外に対応するかは、不確かな状態にある」と述べ、「事前登録が不具合および遅延なく、確実に行われるようにするため、広く意見を募ることにした。寄せられた意見は、登録申請の資格をもつ者が、ブラウザ要件が原因で手続きを行えないことがないかを、判断する手助けとして利用される」と説明している。
これは、ウェブブラウザの市場シェアやウェブ標準仕様をめぐる議論の核心に触れる問題である。現状では、W3C(World Wide Web Consortium)が提唱する標準仕様への準拠の仕方に、ブラウザメーカー同士の統一性がとれていない。ウェブ標準仕様の支持者たちは長い間、このことが原因で、ウェブ開発者が個々のブラウザ向けに異なるページを記述する必要が生じていると論じてきた。さらに、ウェブページやアプリケーションの開発者は、品質保証テストをブラウザごとに実施しなければならない。
この著作権局のサイトは、製作中である公開前の商用作品を事前登録するためのシステムである。同システムは、10月24日に稼働開始する予定だ。このシステムを使うことによって、映画会社は作品を事前登録することができる。その結果、完成前の作品のシーンやコピーがネット上で配信されるなどの事件が起きた場合も、作成者はこれを著作権違反であるとして、提訴することが可能になる。
意見の公募に際して、同局では、将来的には他のブラウザもサポートする計画があることを明らかにしている。同局の代理人はインタビューで、事前登録システムが特定のブラウザしかサポートしない原因は、Siebelのソフトウェアにあると述べている。Siebel 7.7では、IEや、市場シェアの低いNetscape 7.02など、特定のブラウザしかサポートしていない。
著作権局は、Netscape 7.2、Firefox 1.0.3、Mozilla 1.7.7をサポートするSiebel 7.8へのアップグレードを計画していると述べている。ただし、アップグレードは、10月24日のシステム稼働以降に行われる予定だ。
著作権局もSiebelも、OperaやApple ComputerのSafariなどのブラウザのサポートについては言及していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」