映像関連企業などの業界団体、デジタルコンテンツ協会(DCAj)が十日発表した「デジタルコンテンツ白書2005」によると、二〇〇五年のデジタルコンテンツ(情報の内容)国内市場は、前年比4・9%増の二兆五千九百億円に達する見通しだ。
DVD(デジタル多用途ディスク)ビデオの販売増やDVDレンタルの利用拡大、携帯電話向けコンテンツの利用増などが主な要因となる。
アップルコンピュータが日本で四日に始めた「アイチューンズ・ミュージック・ストア(iTMS)」のような音楽配信サービスも増加が期待されている。
〇四年のデジタルコンテンツ市場は、二兆四千六百八十五億円で前年比11・1%増。DVDビデオ販売が同22・6%増の五千百七十四億円と大きく伸びたほか、ビデオレンタル店が取り扱い始めたことで、DVDレンタルも一千二百二十七億円と約二・五倍に膨らみ一千億円を突破した。
ゲームは、三百六十万本を売った「ドラゴンクエスト8」のように、ヒットシリーズの最新作が相次ぎ登場したため、三千百六十億円、同2・2%増と拡大した。
音楽はCD販売の落ち込みが続いているが、「着うた」「着うたフル」のような携帯電話向け配信サービスが同22・5%増の一千九十九億円と一千億円の大台を突破。インターネットを使ったパソコン向けの音楽配信も三十六億円で倍増した。
デジタル放送はBS(放送衛星)・CS(通信衛星)あわせて一千五百二十二億円で同3・1%と堅調に伸びている。
〇五年の予測ではDVDビデオが販売、レンタルともふたケタの伸びを予測。パッケージの映像系コンテンツ全体では同17・0%増の七千四百九十二億円とデジタルコンテンツ市場を引っ張る格好だ。
音楽CDはレンタルが横ばいとなるが販売は縮小し、合計で四千九百三十億円、同2・9%減となる。
一方、音楽配信サービスは引き続き拡大する見通し。携帯電話を使った音楽系コンテンツの配信は〇五年は一千三百九十九億円で同27・3%増と前年以上の伸びをみせる。
また、インターネットを使った音楽配信は八十五億円で前年の二・三倍になるとしている。
インターネットによる音楽配信については、アップルのiTMSが四日間で百万曲以上を販売して好発信をみせたことから、さらなる上積みもありそうだ。
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