米政府のコンピュータネットワークに不正侵入した罪を問われている英国人が、米国への身柄引き渡しの動きに抵抗する運動を始めた。
NASAや国防省などの合わせて97台のコンピューターに不正アクセスした罪で告訴され、米国から身柄引き渡しを要求されているGary McKinnon(39)は現地時間27日、審理のためにロンドンのBow Streetにある下級判事裁判所に出頭した。
米政府の訴えによれば、McKinnonはパスワードを不正入手してEarle海軍兵器基地にある重要なファイルを削除し、ネットワークにつながっていたコンピューター300台をシャットダウンさせたという。また、McKinnonはその過程で、敵に知られてはならないパスワード情報を入手し、米陸軍ワシントン軍管区のシステムをほぼ1日シャットダウンさせたとされている。
米政府側の弁護士によると、McKinnonの不正アクセスによる政府機関の被害額は約70万ドル、そしてネットワーク全体が外部からのアクセスに対して無防備になった同海軍兵器基地の被害額は29万431ドルに上るという。
しかしMcKinnonは、ファイルの削除については誤って1度行っただけであり、軍のシステムへの不正アクセスは、UFOの存在が隠蔽されている証拠を探すためだったという。
同氏の弁護士は、米国による身柄引き渡し要求に対して人権侵害を主張して闘うとしている。もしも有罪となれば、北ロンドンに住むMcKinnonは70年の刑務所暮らしとなる可能性がある。
なお、McKinnonの弁護団がより十分な準備を行えるよう、審理は10月19日まで延期されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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