英国警察、テロ対策用にボディスキャナーの導入を検討へ

Andy McCue(Silicon.com)2005年07月25日 18時19分

 今月、ロンドン市内で同時自爆テロが発生したのを受け、英国政府と警察当局は、服を透視し、人々が服の下に隠し持っている爆弾や武器を発見できるスキャナーの導入を検討することになった。

 この「ミリメートル波画像技術」は、英国の防衛問題の研究機関であるQinetiqが英国政府から資金援助を受けて開発し、現在、同国の港や空港で、自動車内に潜んでいる密航者の発見に使用されている。このスキャナのおかげで、英当局は導入後9カ月間で、トラックの後部に潜んでいた合計1万人の違法移民の逮捕に成功した。

 Qinetiqはすでに、より小型の新型装置を開発している。この装置は、体の表面や服の下に隠してある物体を画像として映し出すことにより、個人や集団を検査できるように設計されている。

 英内相のCharles Clarkeによると、同国政府は8月上旬に予定される最新のスキャンシステムの発売後直ちに、同国の反テロ運動にそのシステムを導入するのが適切か否かを検討するという。

 Clarkeは議会答弁の中で次のように述べた。「現在、警察および内務省科学開発部門(Home Office Scientific Development Branch:HOSDB)は、(テロ実行犯などが)服の下に隠し持っている爆弾や武器の発見を目的とした数多くの技術を検討しており、ミリ波画像技術もその中の1つだ。この技術は、非イオン化放射線に依存している。非イオン化放射線は、通常の環境の中に存在するあらゆる物体から放出されており、屋内で使用するために人工的に発生させることも可能だ」

 しかしClarkeは、この技術も他の全ての爆発物探知システムと同様、探知装置、スタッフ、さらに装置が収集した情報を解釈/処理するための手順を盛り込んだ計画的セキュリティシステムの一環として配備する必要があるだろう、と付け加えた。

 Qinetiqのセキュリティソリューション担当ディレクター、Neil FisherがSilicon.comに語ったところによると、1つのスキャニングポータルで1時間に最高500人分の動画の走査が可能だが、米国の輸送機関は、ラッシュアワーに大規模な駅で毎分400人の乗客を走査したいと考えているという。

 今月上旬に、ロンドン交通庁(Transport for London:TfL)がQinetiqの新しい走査技術を地下鉄の各駅で使用可能か否かを見極めるため、すでにその技術を試験的に使用していると報じられたが、TfLとQinetiqはその報道内容を否定した。しかしFisherによると、Qinetiqは英国運輸省保安部(Transec)と継続的に交渉を行なっているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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