世界における合法的なデジタル音楽サービスの利用がここ1年の間に3倍に増えた一方で、PtoPネットワークを利用した著作権侵害件数の伸びが減速傾向にあることが、レコード業界団体の発表で明らかになった。
国際レコード産業連盟(IFPI)は米国時間21日、2005年上半期にApple ComputerのiTunes Music Store(iTMS)などのサービスを通じて販売された楽曲の数が1億8000万曲に達し、前年同期の5700万曲から大幅に増加したことを明らかにした。
同団体は、PtoPネットワークからダウンロードされる楽曲の件数は調査していない。しかし、ファイル交換サービスや違法音楽配信サイトで入手できる楽曲の数が2005年上半期に8億7000万曲から9億曲へと、3%しか増えなかったと、IFPIは述べる。
レコード会社各社の幹部らは、個々のファイル交換者を相手取った訴訟を行ってきたことが、世界中でようやく抑止効果を発揮し始めたと述べる。
IFPIの最高経営責任者(CEO)John Kennedyは声明の中で「ユーザーが違法ファイル交換への興味をますます失い、音楽をオンラインで合法的に楽しむ方法に目を向けつつあることを、われわれは実感している」と述べた。「ユーザーは考え方を変えつつある。これは音楽業界全体にとって朗報だ」(Kennedy)
合法音楽ダウンロード市場の拡大を牽引したのは、iTMSなどのサービスが欧州に進出したことだ。欧州において、これらのサービスは米国を上回る成長を見せた。英国ではダウンロードサービスが他にも複数存在していたにも関わらず、iTMSが2004年6月にが欧州に進出したことをきっかけに、同地域の音楽ダウンロード市場は大きく成長した。
サブスクリプション形式のデジタル音楽配信サービスを利用する人も増えており、2005年半ば時点で、全世界で220万人もの人々が月額制のサブスクリプションサービスを利用していたと、IFPIはいう。なお、2005年1月時点では、150万人がこうしたサービスを利用していたと推測される。
IFPIは、全米レコード協会(RIAA)が2003年9月にファイル交換者に対する訴訟を展開し始めてからこれまでに、12カ国で1万4277件の訴訟が起こされたことにも言及した。うち大多数は、都市部に住む20〜35歳の男性を相手取ったものだったと、同団体は言う。
Appleは今週、2003年初めのiTMS開設以来、これまでに5億曲以上の楽曲を販売してきたことを発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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