NASAのスペースシャトルが再び宇宙に飛び立とうとしている。
スペースシャトル「Discovery」の打ち上げが、米国東部夏時間の13日午後3時51分に予定されている。これは2003年にColumbiaの事故が起こって以来初めての飛行であり、米航空宇宙局(NASA)にとっては、あの有名な事故の原因となった問題を解決したことを示す初めての機会となる。
NASAは、Discoveryの13日間にわたるミッションに向けた準備が整っていると述べている。シャトル打ち上げが凍結されていた29カ月間に、NASAは超音波やX線を使ってシャトルのパネルにひび割れがないかどうかを調べ、外部燃料タンクを設計し直し、新しいセンサーを追加したほか、ミッションの安全性に焦点をあてた新しい組織体制を構築した。
また、「Safe Heaven」と名づけられた緊急時の対策も用意され、シャトルに重大な損傷が生じた際には、7人の乗組員が国際宇宙ステーションに一時避難できるようにしている。救出ミッションのために「Atlantis」を打ち上げるには約1ヶ月かかるが、国際宇宙ステーションには50〜60日分の空気や消耗品の備蓄があると見積もられている。
Yahooはシャトルの飛行期間中の模様を終日ビデオ中継す権利を獲得した。同社では打ち上げ時や宇宙遊泳、着陸の際の映像などを流すことにしている。また、YahooとNASAは両者の名前が入ったWindows Media Playerを提供し、それぞれのウェブサイトからストリーミング映像を配信していく。
地域電話会社のSBCも、DSLサービス契約者限定で、シャトル打ち上げ時のストリーミングビデオを配信するほか、他では見ることのできない舞台裏を映したニュース映像や宇宙飛行士とのインタビューを同社の「メンバー専用」ウェブサイトで公開する。
Discoveryの発射が予定されているケネディ・スペース・センター(フロリダ州)の天候次第では、13日の打ち上げが中止される場合もあるが、これに関してNASAの広報担当者は12日、打ち上げ延期を余儀なくされる可能性は30%で、実施する可能性は70%あるとした。
今回の打ち上げが成功した場合、Discoveryの乗組員は大量の物資の詰まったコンテナを国際宇宙ステーションに届け、3度の宇宙遊泳を行い、同ステーションの機器の定期的な保守整備を行うことになっている。NASAによると、「最優先事項」は今回強化されたDiscoveryの翼先端部のC/Cパネル(カーボン/カーボン複合材でできたパネル)の点検だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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