この調査では、「ハッピースラッピング」と呼ばれる行為にも言及している。これは、暴行を携帯電話に録画し、ビデオメッセージングを使ってウェブサイトや別の電話機に配信するという、ハイテクを駆使したいじめの極端な例だ。
ハッピースラッピングは英国で特に関心を集めている。英国では注目を集める事件がいくつも発生し、保護者、学校関係者、そして政治家の間で懸念が広がっている。英国の警察は先週末、11才の少女に対する暴行容疑で14才の少年3人を逮捕したと発表した。その暴行の様子はビデオテープに録画され、ノースロンドン中学の同級生たちに送信されていた。
一生消えない傷
今月はじめには、別の英国人少女が足からの銃弾除去手術を受けたが、この少女を空気銃で射撃した若い容疑者の友人は、その様子を自分の携帯電話で写真に撮っていた。
さらに5月には、カリフォルニア州ハーキュリーズ在住の高校生が、クラスメートを学校の更衣室で殴るという悪質な襲撃事件を起こして起訴された。その様子もビデオに録られ、インターネット上で公開された。17才の被害者はあごを骨折し、眼瞼皮下出血を起こした。
しかし、身体的なものでなくとも深い傷を負うことがある。
2003年には、カナダ在住のティーンエイジャーGhyslain Razaの両親がクラスメートを起訴した。「スターウォーズ」のライトセーバーの殺陣を練習している様子をRazaが自分で撮影したビデオを、クラスメートらがデジタル化し、公開したことが起訴理由だった。このビデオがネットにアップロードされたため、Razaは世界中の笑いものになった。
このビデオを観た人のなかには、恥ずかしい思いをしたこのティーンエイジャーに同情する者もいた。RazaにiPodを買ってあげるためのウェブサイトがつくられたり(彼はめでたくiPodを手に入れることができた)、あるいは彼を本物の「スターウォーズ」最新版に登場させようというウェブサイトもできた(こちらは実現しなかった)。しかし、Ghyslainの両親は、息子があまりの屈辱感を味わったために、精神科で治療を受けなければならず、またこれで受けた心の傷は一生消えないかもしれないと主張している。
「いじめを受けると、引きこもりになり、自尊心を失う可能性がある」(NCHのCarr)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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