スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)は6月14日、携帯電話向けに動画配信を行う新会社「スカパー・モバイル」を6月1日付けで設立したと発表した。コンテンツを再生するためのアプリも独自に開発し、有料の動画コンテンツを提供する。今秋にもサービスを開始し、事業開始から3〜4年後に売上高50億円を目指す。
資本金は4億8000万円で、スカパー!が51%、ACCESSが34%、Jストリームが10%、ナノ・メディアが5%を出資する。代表取締役にはスカパー!執行役員の山崎宇充氏が就任した。
スカパー!が持つ動画コンテンツを携帯電話向けに加工し、2分半〜5分程度の長さにして配信する。まずはスポーツやニュースなどのジャンルから始める予定だ。動画ビューアーや音声プレイヤーなどの再生アプリや番組表アプリなどをACCESSやナノ・メディアと共同で開発するとみられる。
スカパー・モバイルに出資した理由について、ACCESS代表取締役社長の荒川亨氏は「携帯電話の機能をいくら強化しても、コンテンツがなければ使われない。スカパー!はオンライン配信に関する著作権処理ができたコンテンツを持っており、共同で事業をしやすいと考えた」と話す。
スカパー・モバイル代表取締役社長の山崎宇充氏(中央)と出資企業の代表者たち
|
スカパー!は中期経営計画として、コンテンツ配信プラットフォームを衛星放送だけでなくケーブルテレビやIP放送へと広げるマルチプラットフォーム戦略を打ち出している。今回の携帯電話への配信もこの一環だ。「携帯電話はユーザーの一番近くにあるメディアであり、非常に重要だ。さらに、携帯電話のIDを使った課金なども考えられる」と山崎氏は期待を寄せた。
スカパー・モバイルではコンテンツ配信事業のほか、広告・マーケティング事業や認証課金事業も手がける。広告事業は動画ビューアーにバナー広告を掲載するほか、企業と共同でプロモーションのためのコンテンツを制作する。課金システムについては、携帯電話事業者の決済システムと連携する仕組みや、モバイルFeliCaを活用した電子マネーによる決済などを検討している。
将来的には海外の携帯電話事業者にも動画コンテンツを提供したい考えだ。ACCESSの荒川氏は「NTTドコモのiモードライセンスのように、プラットフォームやノウハウ、コンテンツをパッケージにして海外の携帯電話事業者に提供する仕組みにしていきたい」と意欲を見せた。
スカパー!は5月30日にインデックスの第三者割当増資を引き受け、第5位の大株主になることを発表している。スカパー・モバイルとインデックスの関係について山崎氏は「スカパー!はインデックスとの業務提携の内容を話し合っている段階であり、コメントできない」とした。ただし、「スカパー・モバイルがスカパー!の携帯電話事業の中心だ」とも話しており、インデックスとはコンテンツ面での提携を考えているようだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス