Yahooは米国時間17日、VoIPとソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及を促進する、新しいインスタントメッセージング(IM)用アプリケーションのテスト版を公開した。
YahooのIMサービスは現在、6500万人に利用されている。同社はテスト期間中、Yahoo Messengerのアップデート版を無料提供する。これを使えば、ユーザーは標準的なテキストメッセージを送信するだけでなく、PCを使って無料通話をしたり、モバイル端末にショートテキストメッセージを送信したり、人と写真を共有したり、ブログにコンテンツをアップロードしたりすることができる。
Yahooはテスト版について、以前のものから変更された点は多いが、そのなかでも特にVoIP機能の拡充に重点を置いたと述べる。テスト版では、「click to call(クリックして電話をかける)」ボタンが前面中央に配置されたほか、ボイスメール機能が追加されている。また、ブロードバンド接続をするユーザーとダイヤルアップ接続をするユーザーを対象に、音声接続の最適化を図ったという。
Yahoo Messenger担当ディレクターのFrazier Millerはインタビューの中で「1990年代半ばから終わりまでは電子メールがキラーアプリだった。その次に来たのがインスタントチャットで、今はVoIPが世間の注目を集めている」と語った。
今回の動きの直前には、チャットサービス市場で首位につけているAmerican Onlineが、音声、データ、モバイル、ビデオの通信を統合するソフトウェアのテストを開始している。両社は多数の固定ユーザーに働きかけて、自分たちのネットワークが提供するサービスの利用を促進し、VoIPやオンラインビデオサービスが頻繁に利用されるようにしたいと考えている。
Millerによると、Yahooは無料の音声通話サービスを1999年から提供してきたという。だが、自分たちが電子メールやIMのアカウント以外のサービスも提供するコミュニケーションプロバイダであることを再認識したのはつい最近のことだという。コミュニケーションプロバイダとしてはビデオや音声関連のサービスを提供していくことも重要だとMillerは言う。またこれらすべての通信はIPネットワーク上で行われるため、Yahooは競争を有利に進められる可能性が高い。
そのため、この新しいアプリケーションでは、ユーザーが1つのコミュニケーション形態から別の形態に移行する際に感じる障害を取り除くための工夫が凝らされている。例えば、Yahooは「コンタクトカード」というツールを用意した。これは、ユーザー同士でアドレス帳を共有するための機能である。
またYahooは、ブログとSNSを組み合わせた「Yahoo 360°」サービスと、新IMアプリケーションの連携を図っている。その結果、ユーザーはIMのインターフェースからブログにコンテンツをアップロードできるようになった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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