Opera Softwareは最新のウェブブラウザ「Opera 8」を発表した。同社は、以前のバージョンに寄せられた批判に応えるべく、新ブラウザでは操作性の向上を図ったという。
Opera 8では、デフォルトのインターフェースがすっきりしたデザインに改善されている。例えば、インストール後に表示されるツールバーやメニューの数も以前のバージョンより減っている。同社では、インターフェースを改善することで、初めてのユーザーもOperaブラウザを簡単に使いこなせるようになると期待する。
「Operaブラウザは多くの人から高く評価されてきた。だが、新規ユーザーには、取り付きにくい印象を与えていたようだ」とOperaのCEO、Jon von Tetzchnerは現地時間19日、ZDNet UKに語った。「われわれはOpera 8で、ベーシックでありながら、他とは一味違うブラウザ作りを目指した」(von Tetzchner)
Operaはこの他にも、インターネット上でのなりすましを防ぐためのセキュリティ機能や音声機能を追加している。同社は、これらの新機能を擁して、ブラウザ市場で圧倒的なシェアを誇るMicrosoftからユーザーを奪取する構えだ。
新ブラウザの特筆すべき点として、上記以外には、SVG(Scalable Vector Graphics)のサポート、小さな画面に画像を表示するためにOperaが独自開発したレンダリング技術の搭載、音声ブラウジング機能の搭載などが挙げられる。音声ブラウジングは、ユーザーが指定したテキストをコンピュータが読み上げる機能だ。
インターフェースはカスタマイズ可能であるため、ユーザーは設定を変更して、頻繁に使う機能をすぐに呼び出せるようにすることもできる。
OperaがMicrosoftに仕掛ける戦いは、よくダビデとゴリアテの伝説にたとえられる。しかし、Operaはここ最近、Mozilla Foundationの「Firefox」との戦いにも直面している。2004年に発表されたFirefoxは、すでに米国で5%のシェアを獲得している。
「Firefoxがシェアを増やすなか、Operaのシェアがそれほど増えていないのは少し意外だ」とABG Sundal CollierのアナリストOle Andre Hagenは述べる。
これまでのバージョンと同様に、Opera 8の無償版には広告が表示される。また、広告の入らないバージョンも販売されている。ほかの組織から提供されるブラウザは通常、無料で提供される上に、広告も表示されないことを考えると、Operaで同じものを手に入れるのにお金を支払わなければならないことは、一部のユーザーにとって心理的バリアとなっている。
Operaはまた、同ブラウザをオープンソース化しないことについて、一部から批判を受けている。だが、von Tetzchnerはオープンソースでなくても、良い製品を開発することは可能だと考える。
「オープンソースはすばらしい。だが、オープンソースですべての問題を解決できるわけではない」とvon Tetzchnerは述べる。「すべてのソフトウェアがオープンソースになって、商用のものがなくなったら、状況は今より悪くなるだろう--市場では競争が必要だ」(von Tetzchner)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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