米ミズーリ大学で、論文を採点したり学生へ論文の書き方を指導するコンピュータプログラムが開発された。教師にとって退屈な作業の一部がこれで軽減される可能性がある。
ミズーリ大学コロンビア校の社会学教授、Ed Brentは半年かけて「Qualrus」というプログラムを開発し、自分の教え子の学生を使って2カ月間、同プログラムのテストを行なった。同プログラムはテキストをスキャンし、キーワードや熟語、慣用句、言語パターンを調べる。学生はウェブ経由で論文を直接同システムにロードすると、瞬時にフィードバックを受け取ることができる。
感情のない機械であるコンピュータが、一体どのように執筆技術やニュアンスを理解できるというのかという質問に対して、BrentはQualrusがかなり高度なプログラムであり、単にエッセーに複数のキーワードを手当たり次第盛り込むだけでなく、文やパラグラフの構造を分析し、議論や構想の流れを解明でき、また教師が課題の様々な要素に置く重要度の比重に応じて論文を採点すると述べた。
このプログラムによる採点の結果は、Brentの講座を受講した学生の最終成績のうち、およそ3分の1から4分の1を占めている。学生はこの採点方法に異議を唱えたが、論文のなかで正しい用語を使っていない学生は、それ以上何もいえなかった。「社会学では、学生たちに専門用語を学んでもらいたい」とBrentは語る。
徹底的に論文を書かせるBrentの社会学入門の授業は、最高で140人もの学生が受講するため、BrentはQualrusを使用することにより、1学期に200時間以上の労働時間を削減できると予測している。最終論文はBrentが読むが、Qualrusを導入したおかげで論文の質は大幅に向上していると同氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス