企業との提携でユーザー層を拡大
jig.jpでは現在、複数の会社と提携して、jigブラウザのカスタマイズ版を提供している。カスタマイズ版ではjigブラウザ起動時のトップページに提携企業のサイトが表示され、初期設定の「お気に入り」に提携企業のサイトが追加されている。提携企業は自社サイトからjigブラウザをダウンロードできるようにする。カスタマイズ版の料金収入はjig.jpと提携企業でシェアするという。
これまでに、はてなの日記サイト「はてなダイアリー」や楽天のポータルサイト「インフォシーク」、ライブドアのポータルサイト「livedoor」などと提携しており、「全ユーザーの10%近くは提携企業のサイトからダウンロードしたのではないか」と同社取締役の岸周平氏は話す。
今後は単なるサイト提携だけではなく、生活シーンにおける使い方を提案していく考えだという。「例えば就職活動サイトとの提携を考えている。外出先で面接に行く企業のサイトを見て地図を確認したり、電話番号を調べたりすることができる。このように使い方まで含めた提案をしていきたい」(岸氏)
福野氏は、PCを持たず普段は携帯電話しか使わないようなユーザーにもjigブラウザを使ってもらいたいと考えている。「今のjigブラウザのユーザーは、PCサイトを普段から見ているような層だ。今後は、例えば『PCを持っていない人でもこんなことができます』という利用シーンを提示していきたい。現在の携帯電話ユーザーにとって、主役はメール、コミュニケーションであってウェブではない。PCの世界と携帯電話の世界の大きなギャップを埋める仕組みにjigブラウザがなりうると考えている」(福野氏)
「携帯電話をPCの親機にしたい」
jigブラウザで一気に注目を集めたjig.jpだが、今後はどのような展開を考えているのだろうか。福野氏は、「携帯電話をPCの親機に持っていきたい」と話す。福野氏が言う「親機」とは、ユーザーにとってのメインマシンという意味だ。基本的にやりたいことはすぐ携帯電話でできるようになり、PCは携帯電話の補助として存在するという未来像を福野氏は思い描いている。「PCは自宅や会社、インターネットカフェなどに置いてあるもの。そういう意味では、携帯電話を普段親機として操作し、携帯電話でできないことをPCでやるという環境ができるといい」
jigブラウザではすでに、お気に入りをPCからでも管理できる機能がある(FOMA 901i/900iシリーズ、au用アプリのみ)。この場合、管理画面にログインするためのワンタイムパスワードを携帯電話で発行する。ゆっくりいろいろなサイトを見たいときにはPCを使い、そこで見つけた面白いページをお気に入りに登録できる。
jigブラウザでは今後、RSS機能の進化など、いくつかの新機能を計画しているようだ。さらに、今春には携帯電話で映像を使った番組などを視聴できるサービス「jigチャンネル」を正式リリースする計画もある。これからもユーザーの要望を反映させながら、より使いやすいアプリを開発していく考えだ。
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