ウィスコンシン州では州議員が結束し、いわゆる「iPod税」を導入する法案に反対しているが、オンラインでの音楽/映画販売をめぐるこの争いが全米各州に飛び火する可能性がある。
この議論では、Apple ComputerのiTunes Music Storeでダウンロード販売された映画や音楽などのデジタルコンテンツに課税するか否かが争点になっている。すでに2、3の州では、1曲99セントの価格にプラスして数セントの税金を自発的に支払わない場合は違法とされている。
Jim Doyleウィスコンシン州知事は、同州で音楽/映像/ソフトのダウンロード販売への課税を開始したい考えだ。共和党が過半数を占める同州議会は同法案成立を阻止する構えだが、州政府関係者らは物事を公平に行なおうとしているだけ、と反論している。
ウィスコンシン州歳入局の広報担当、Jessica Iversonは「これは課税の公平性に関する問題」だとし、さらに「実際の店舗でCDを買えば、税金を取られる」と付け加えた。
インターネット企業とオフライン企業との公平性の確保の問題は、Eコマースの開始以来常に議論され、その結果複雑な迷路のような規則が作られた。そして、今やその規則はデジタルダウンロードの世界にも適用されようとしている。
この種の課税の是非について、エコノミストの見解は完全に2つに分かれている。デジタル商品への課税は、将来活気付く可能性のある新市場の成長を阻害するという意見もあれば、一方では同じ商品であるにも関わらず、オフラインで販売されている商品のみに課税するのは、自由市場の運営を歪めるとの意見もある。
しかし、各州は通常、ベンダーが現実にその州に所在地を持たない限り、ベンダーに税の徴収を義務付けることはできない。そのため、消費者自身が1年間にオンラインストアで使った総額を計算し、自発的に税を納めるようしばしば強制されることになる。
各州とも、オンラインベンダーに接触し、税を徴収しようと懸命に取り組んできたが、予想通り、この規則の遵守率は極めて低い。税の徴収に取り組む州の中で最も注目を集めたのがミシガン州だ。同州は今年はじめに、オンライン煙草販売業者に対し、同州在住の顧客の氏名の公開を求める召還状を送付した。ウィスコンシン州で、2005年末にこの種の「自発的」税金を実際に納める人々の割合は全体のおよそ1%に過ぎないだろう、と同州職員は予測している。
デジタルダウンロードの場合、これまで、この問題はほとんど表面化してこなかった。
しかし、少なくとも2、3の州では、音楽、その他のデジタルダウンロードサービスの利用に際し、税金を支払わない者は脱税者とみなされる。
サウスダコタ州歳入局の広報担当によると、同州ではすでに消費税法がデジタルダウンロードにも適用されているという。ユタ州でも、iTunesで購入した際に税金を支払わないと違法となる。しかし両州とも、わずか数ドルの税金の支払いを実際に個人消費者に求めたことはない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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