RealNetworksは米国時間8日夜、長年契約関係にある携帯電話機メーカーNokiaとの契約を拡大すると発表した。これを受け、Nokiaは今後多くの高性能新機種でRealNetworksのメディアフォーマットをサポートすることとなった。
しかし、RealNetworksがNokiaと結んだ今回の契約は、同社の新たなライセンス戦略の一端にすぎない。RealNetworksはここ数年、携帯電話機に音声/映像ソフトウェアパッケージ全体をインストールする契約を各端末メーカーに求めてきた。Nokiaもこれまで一部のモデルでこの方式を採用していた。
しかし、今やRealNetworksはコンポーネントの一括販売を止め、ストリーミング映像技術などの個々の技術のライセンス供与を各メーカーに行うようになっている。同社は、こうした変更の結果、たとえメーカーが最終的にRealNetworksのライバル企業のメディアプレイヤーソフトを採用したとしても、より幅広い製品でRealNetworksおよび同社の顧客が開発したコンテンツを再生できるようになることを期待している。
現在RealNetworksは、同社がPCマルチメディア分野への参入を目指した時とほぼ同じ道をたどっている。同社はこの分野における音楽/動画プレイヤーソフトの草分けとなったが、後にMicrosoftやMP3などのライバルに市場を奪われた。RealNetworksは依然としてソフトウェア企業であるが、今やコンテンツ事業が同社の成長の原動力となっている。
RealNetworksの音楽/動画プレイヤーソフトを自社の携帯電話機でサポートする契約を結んでいる企業は、Nokiaなど複数存在する。また、70社近い携帯電話会社が、RealNetworksのフォーマットで作成されたコンテンツの配信に必要なインフラを自社ネットワークに導入している。
現在、モバイルマルチメディア市場は、高速データネットワークが標準化しつつあるアジアや欧州を中心に活気を帯びつつある。そのような状況の中、Microsoftやメディアソフト企業のPacketVideoといったRealNetworksのライバル各社は、携帯電話市場で着実に足場を固めつつある。たとえば、Verizon Wirelessは1月末に、Microsoftの映像フォーマットを使った新しい高品質ビデオ配信サービスVcastを発表した。
RealNetworksは今回の新計画の下で、各企業に対し、同社のメディアプレイヤーエンジン、独自の音楽/動画フォーマットのサポート、ユーザーインターフェース全体を利用できるサービスを提供する予定で、顧客はこれらを自由に組み合わせることができる。この細分化された料金プランは、例えば、PacketVideo製のメディアプレイヤーを利用したいがRealNetworksの映像配信もサポートしたいという端末メーカーに最適だ。
価格は、Nokiaのようなメーカーが1つのコンポーネントを使用するか、複数のコンポーネントを一括して使用するかを問わず、デバイス1つにつき一律25セントとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス