ユニバーサルミュージック、音楽ビデオの配信サービス業者に課金

John Borland (CNET News.com)2005年02月03日 13時06分

 レコード会社Universal Music Groupが、インターネットや衛星放送で同社のミュージックビデオを流した企業に課金する計画だ。Universalはこれまで、こうしたビデオを販促ツールとして無料提供してきた。

 Universalの決断は、オンラインエンターテインメントの世界を根底から揺るがし、そのエコノミクスに大きな変化をもたらすものとなるだろう。ほかのレコード会社も同社と同様の方針を打ち出すものと思われる。Yahooの「LAUNCH」や「AOL Music」などは非常に人気の高いエンターテインメントサービスだが、これらはそもそも、毎月無料で配布される無数のビデオ映像をユーザーに提供することで成り立っている。

 1980年代初頭、UniversalはMTV(音楽専門チャンネル)が同社のミュージックビデオを原則として自由に使用することを許可したが、Universalの役員らは以来これを後悔し、ほぞをかむ思いをしてきた。そうしたなか同社は、MTVの現代版となりつつあるオンデマンドメディアからビデオ配信に対する料金を徴収することを、とうとう決定した。

 この決定は公式に発表されたものではなく、Universalの広報もコメントを控えている。今週初め、一部のインターネット企業が当該の決定に関する知らせを受けたようだ。

 なお、事情に詳しい関係者によれば、Microsoftは早々にビデオ使用料の支払いに合意したという。

 MSN EntertainmentのシニアディレクターRob Bennettは声明で、「デジタルミュージックおよびビデオ市場は発展を始めたばかりで、ビジネスモデルにもまだまだ進化の余地がある。今回の問題は産業界が一体となって検討しているが、MSN Musicの使命は、コンテンツオーナーとユーザーを結ぶ優れたプラットフォームを提供することだと考えている」と述べた。

 今回の決定がターゲットとしているのは、インターネット、衛星放送、ケーブルテレビでビデオのオンデマンド配信サービスを提供しているプロバイダであると、Universalの事情に詳しい情報筋は明らかにしている。課金対象には、Universalの所属アーティストによるライブパフォーマンスも含まれる。

 ただし、特定の消費者向けブランドと提携しているサイトと、アーティスト自身のサイトは適用外だ。また、小売店やラジオ局、およびそのほかの販促関連サイトでは、30秒に限り無料のストリーミングを認めている。

 Universalはこの決定に効力を持たせるため、課金に応じないサイトからは同社の広告を引き上げると示唆している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

 

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