ニューヨークの有名オークション業者Christieが、コンピュータとインターネットの起源を探った珍しい資料や出版物のコレクションを競売にかける準備を進めている。
2月23日に競売にかけられる予定のこのコレクションには、「The Origins of Cyberspace: A Library on the History of Computing, Networking & Telecommunications(サイバースペースの起源:コンピュータ・ネットワーク・通信の歴史に関する蔵書)」との鑑定が付いている。これらの参考資料や手紙、学術誌は、希少本や原稿の収集家でありディーラーでもあるJeremy Normanが元々収集したもの。
「これらの資料には膨大な情報が詰まっている。人々が忘れてしまったコンピュータの歴史の一部だ」(Norman)
Normanは以前、1613年から1970年までのコンピュータの歴史と起源の概要を明らかにする参考書に、これらの蔵書の内容を記録していた。この書籍にも「The Origins of Cyberspace」という名前が付けられている。
今回オークションに出品されるもののなかには、最初のプログラミング可能なコンピュータの開発、記録上最初のソフトウェア、データ通信の数学理論、そして通信の起源について詳細に記した文書などが含まれている。このなかで最も高い入札額を付ける可能性の高いものの1つが、J. Presper EckertとJohn Mauchlyの共著による「Outline of plans for development of electronic computers(「電子計算機開発計画の概要」)」で、Christieでは5万〜7万ドルの間で落札されると見ている。
全8ページのこの原稿の原本は、1946年に書かれたもので、初めて実用化された米国産電子コンピュータであるBINACの2人の生みの親の手になる、コンピュータ業界のものとしては初めての事業計画とされている。
今回のオークションで注目に値する商品としては、ほかにもEdmund C. Berkeleyの「Giant brains or machines that think(「考える巨大な脳あるいはマシン」)」、Alan Mathison Turingの「On computable numbers with an application to the Entscheidungsproblem(「計算可能数,ならびにその決定問題への応用」)」、そして 歴史的なUNIVACコンピュータを動かす短いコードのパンフレットの原本などがある。さらに、「解析マシン」としてコンピュータの基本設計を確立し、多くの専門家に「コンピュータの父」と評されるCharles Babbageの私信もオークションに出品される。
Normanは、1970年代前半からこれらの資料の収集を始めたという。コンピュータに対する自身の好奇心を満たし、文書の参考目録を作成するのが目的だったが、コレクションとして売ることも常に頭にあったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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