Firefoxブラウザのバージョン1.0のリリースを成功させたMozillaが、今度は電子メールアプリケーション「Thunderbird」の正式版をリリースし、Microsoftに対する新たな攻撃に出た。
Mozilla Foundationは米国時間7日、Windows、Mac OS X、Linuxユーザー向けに、「Thunderbird 1.0」のダウンロード提供を開始したことを発表した。同電子メールアプリケーションは、スパムフィルタやRSS(Really Simple Syndication)リーダーを備えるほか、検索やソートの機能が強化されている。ユーザーは、検索結果をフォルダに保存し、別の日にまた同じ検索を実行したり、アプリケーションのコードを書き換えることで引用文の文字や背景の色を設定することができる。
Mozillaによると、Thunderbirdは「Microsoft Outlook」「Microsoft Outlook Express」「Eudora」「Netscape Mail」からアカウント設定やアドレス帳の情報を自動インポートする機能をもち、ユーザーは同メールアプリケーションに簡単に移行できるという。
Mozillaの広報David Hallowellは、Thunderbirdの優れている点としてユーザーインターフェースやスパムフィルタ機能が挙げられると述べる。
同電子メールアプリケーションには、現在のところカレンダー機能が組み込まれていない。だがHallowellによると、Sunbirdという別のアプリケーションをインストールすればカレンダー機能を利用できるという。
「Thunderbirdはあくまでもシンプルな電子メールクライアントで、スケジュール機能を備えていない点が、OutlookとThunderbirdの主な違いだ。現在、ボランティアがSunbirdプロジェクトに取り組んでおり、カレンダー機能は同プロジェクトから提供される予定だ」とHallowellは述べる。「ユーザーが必ずしも必要としない機能をたくさん用意して、さえないアプリケーションを作るより、特定のタスクをしっかりとこなすアプリケーションを開発した方が良いというのが、Firefoxの考え方だ」(Hallowell)。
Sunbirdのウェブサイトによると、このカレンダーアプリケーションのテストバージョンは既にリリースされているという。
調査会社OvumのリサーチディレクターGary Barnettによると、Thunderbirdはそれなりの評価を得るだろうが、人気を博すようになるまでにはFirefoxよりも長い時間を要するだろうという。
「(Thunderbirdのリリースは)成功するだろうが、Firefoxよりも立ち上がりは遅いだろう。(Fifefoxよりも)シェア獲得が難しいのは事実だ」(Barnett)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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