Moreover Technologiesは、ウェブ上にある各ニュースサイトから配信される記事の見出しを、ユーザーが好みに合わせて収集できるサービスを開始した。この無料サービスは広告収入によって運営される。
Moreover(本社:サンフランシスコ)は、ユーザーがニュースの見出しを収集し記事を検索できるようにする技術を、MicrosoftのMSNなどの提携サイトにライセンス供与する。同社は先週、 RSS(Really Simple Syndication)ニュースアグリゲーションフィードを一般に公開し、収益計画の欠如から一度は棚上げにしていたサービスを再び登場させた。
Moreoverの最高経営責任者(CEO)Jim Pitkowによると、同社は今回、ニュースフィードとともにターゲットを定めたプロモーションを配信する「インテリジェントな」広告システムから収益を得る計画だという。ユーザーがニュースリーダー・ウェブページ上でヘッドラインを受信するには登録が必要で、その後はニュースに関連するテキスト広告を1日1件受け取ることになる。このため、ユーザーの元に洪水のような広告が配信されることはない。
「この仕組みでは、どの広告が何度表示されるかを管理できる」(Pitkow)
RSSの持つ可能性についてはこれまで非常に大きく取りあげられてきているものの、どうやってこのニュースシンジケーション技術から利益を上げるかという問題については、いまだに答えが出されていない。そして、Moreoverのように、オンライン広告にその答えを見出そうとしている企業もある。
先月、RSS検索エンジンのFeedsterは広告ネットワークのKanoodleとの提携を発表し、キーワードに関連したテキスト広告をニュースフィードに組み込んで配信することになった。FeedsterのCEO、Scott Raferによると、パーソナライズしたウェブページでニュースの見出しを受信するサービスに申し込んでいるFeedsterユーザーは、今後数週間以内に、Feedsterを利用する度に1、2件の広告を受信することになるという。また、ユーザーは10ドルを支払い、広告を受信しないように設定することも可能だ。
Raferによると、同社はブロガーが自分の記事のRSSフィードにターゲット広告を追加できるサービスも提供する計画だという。この仕組みを使えば、ブロガーは自分のオンライン日記から収益を得ることができる。
だが、こうしたサービスが論争を巻き起こす可能性もある。自らのニュースをRSSフィード経由で提供する企業や個人ブロガーが、サードパーティによるこうしたサービスについて、自らのコンテンツを不正に商用利用していると見なす可能性があるためだ。
「単に情報を収集しているだけで、それを利益目的に利用する権利があるのだろうか」と、BlogとRSSフィード用検索エンジンのTechnoratiでウェブ製品マネージャーを務めるMary Hodderは述べている。
「RSSはソーシャルなメディアで、旧弊なメディアとはちがう--つまり、RSSの受信者は活発なグループを形成しており、余計なメッセージを受け取ることには興味がないことから、単にビジネスモデルをつくるだけでなく、それをきちんと管理する責任がある」(Hodder)
Moreoverは、広告の配信に制限をかけることで、情報のSN比を一定のレベルにとどめたいとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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