教訓その1:高級品を景品として大量に提供すると、ウェブサイトのトラフィックが急増する。
昼間のテレビ番組の伝説的司会者Oprah Winfreyと自動車メーカーのGeneral Motors(GM)が先週、276台の自動車を景品として提供したが、仮に彼らの目的が消費者の関心を掻き立てることにあったとすれば、彼らの戦略は大成功したといえる。オンライン市場調査会社ComScore Networksによると、13日にOprah Winfreyの番組が放送された後、Oprah.comとGMのPontiac.comへのトラフィックが急増したという。
ComScoreの推計によると、Oprah.comへのトラフィックは、番組が最初に放送された翌日の14日に、およそ63万4000ヒットを記録した。この数字は同サイトのそれ以前の4週の火曜日の平均ヒット数の8.64倍に相当する。またPontiac.comも同日、同サイトで過去最高となる、およそ14万1000ヒットを記録した。これは、同サイトの火曜日の平均ヒット数の6.36倍に相当する。
ComScoreによると、番組放送当日の13日の両サイトのヒット数も、Oprah.comが34万6000ヒット、Pontiac.comが8万5000ヒットと、通常の週に比べ多かった。放送日前日の12日のOprah.comへのトラフィックはわずか5万6000ヒットだったが、それでもそれ以前の4週の日曜日の同サイト平均ヒット数の1.92倍だった。Pontiac.comも同日、2万6000ヒットを記録したが、これは通常の日曜日の同サイトのヒット数のおよそ1.35倍に当たるという。
その後も両サイトへのトラフィックは高水準を維持していたが、15日になって減少し始めた。同日のヒット数はそれぞれ、Oprah.comが29万ヒット、Pontiac.comが7万6000ヒットだった。
Oprahは14日、収録に集まった観客を前に、新車のPontiac G6をプレゼントすると発表して、全員を驚かせた。Pontiac G6といえば、最低市場価格が2万1300ドルの同社の中クラスの乗用車だ。その観客たちはといえば、彼らが新車を必要としている理由をもとにOprahが事前に選んだ人々だった。彼らの家族や友人が、彼らが所有するポンコツ自動車の話を番組に提供し、彼らを推薦していた。
自動車を景品として提供したGMは、今回のイベントを2005年のニューモデルの1つであるG6の発売キャンペーンの一環として利用した。Pontiacのマーケティング担当ディレクター、Mark-Hans Richerによると、同社のサイトは13日と14日の2日間に50万ヒット以上を記録したという。同サイトへのトラフィックの増加が今回の宣伝活動の狙いだったが、予想以上の反響だったとRicherは語る。また同氏によると、16日付のGoogleの人気検索キーワードランキングで「Pontiac G6」が第8位にランクされたが、Pontiacもそこまでのプラス効果は完全には予測していなかったという。
「マーケティングで何かをやれば、どんなものでも必ずウェブに反響がかえってくる。だが、今回は別格だ」とRicherは述べ、さらに「本当にびっくりしている。1週間前に『G6って何?』と誰かにきいても、おそらくコンピュータの一種か、ジュネーブで開かれる経済会議といった答えしか返ってこなかっただろう。われわれはこの結果にとても満足している」と付け加えた。
Richerによると、Pontiacはこのプレゼントに関して非常に多くの好意的な電子メールを受け取っており、なかにはこのプロモーションを知って同社の自動車の購入を約束するものまであったという。PontiacはOprah.comとの契約の一環として、90日間同サイトの企業スポンサーを続ける予定だ。
ComScoreの調査結果から、両サイトを訪れたユーザーの大部分が職場からアクセスしていたことが分かった。たとえば、14日には全体の約60%に相当する37万人以上の米国人が仕事場からOprah.comにアクセスしており、ふだんのウィークデイの平均である50%を上回った。ComScoreによると、同日Pontiac.comには10万人近いユーザーが職場からアクセスし、サイト全体のトラフィックのほぼ70%を占めたという。これに対して、ふだんのウィークデイに職場からアクセスするユーザーの割合は平均で50%を切っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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